育児休業を取る イクメンの星 座談会

仕事をおろそかにせず育児もする「イクメンの星」達の本音トーク

保育園からの呼び出しどう対応している?

安藤
子どもですから急な発熱で保育園から呼び出しということもありますが、そんなときは皆さんどうしていますか。どちらが行くかみたいなルールは決まっていますか。
渡辺
うちは基本的に私が行く形にしています。保育園のいわゆる第1連絡先も私になっています。私に連絡がつかなければ、妻の方に行くのですけれども、妻は大体無理だからと、また私に戻されてしまって、なすりつけ合っても結局どちらかが行かないといけないので、最終的には私が行って、その代わりに次の日の朝早く仕事に行かせてもらうとかいう感じで調整はしています。保育園からも、連絡先順位でパパが第1順位になっている家庭はすごく珍しいと言われました。
越智
私も第1です。私は正社員でマネージャー、妻は派遣社員なので、私の方が時間の都合がつきやすいから急に保育園から呼び出しがあった場合は私が迎えに行くというルールを作っています。
安藤
派遣社員はなかなか、勤務時間途中で帰れないですね。
越智
私の場合はパソコンを持って帰って、家でも仕事ができる環境があるので、融通がききます。
安藤
フレキシブル対応ができる方が帰るということですね。そうやって家庭ごとに合理性で決めればいいし、原則は近い方が帰ればいいのではないかと私は思います。どちらも共働きだったら同じような環境で働いているわけだから。でも、まだママが第1連絡先というのがデフォルトになっているのが、今の日本の状態ですよね。迎えに行って小児科に行って薬をもらってくるのは男でもできるのにね。
渡辺
意外と保険証や診察券のありかとか、どこが悪いんですかと言われてもうまく説明できないと、パパ友達の話をよく聞きます。
中山
お医者さんによく夫婦一緒に行ったんです。そうするとお医者さんも一番詳しいのはママの方だと決めつけて、一緒にいるのに私の目を見てくれないという経験があります。
安藤
小児科に付き添いで来るパパが増えているけれども、保険証がどこにあるか、予防接種は何を受けているか、子どもの体重がリアルタイムでちゃんと分かっているということが保護者としての父親の役割だと思いますね。

印象に残っているママや子どもからの言葉

写真
安藤
家族からの信頼とか評価とか、こういうものがパパたちにとって一番の勲章だと思いますので、印象に残っている妻や子どもからの言葉があったら教えて下さい。
福井
妻が妊娠してすぐに就職が決まったので、妻のキャリアのサポートということで私が育児休業をとりました。今でも言われるのは、彼女は正社員として楽しく働いているわけですけれども、私が育休をとらなかったら、そういう生活は送れなかっただろうということです。そこはいつも感謝されていますし、妻のみならず、妻の親や親戚とも関係がよくなりました。ありがとう、という感謝の言葉を常に受けるようになりました。
渡辺
結婚して子どもが生まれるまでは、家事については妻がメインで私はサブという感じでした。それが育休を通して、夕食は私が大体作るようになり、それが当然のようになってくれたことが嬉しいと妻に言われます。福井さんがおっしゃったことと同じですが、妻はキャリアを大切にする方で、ずっと働いていきたいと思っているので、あなたがそれだけやってくれれば、何とか私はずっと働いていけるんだなと思えるようになったよと。自分(妻)が仕事をやめて家に入らなければいけないかもしれないなと、以前の私を見て思っていたけれど、今は私はずっと働いていけるなと思えたから嬉しいと感謝されています。
中山
私の場合は、幼稚園でも小学校でもそうですが、私が先にママ友をつくるので、妻が行ったときには、いきなりママ友達がいる状況になっていて、それは感謝されています。家事に関しては、やって当たり前でしょうみたいなところがあります。休職中は、何で休むの?という妻の両親や、自分の両親など身内の反発が一番大きかったです。でも、1年経って子どもの成長を見たときに、あの1年は意味があったのねと言われたのも嬉しかったです。
私は料理ができるようになったのが一番喜ばれています。一生懸命やったかいがあって、パッと作れるようになりました。あとは人脈がすごく広がり、こうやって皆さんとも会えたりしたのがすごくよかったのかなと思います。妻もいろいろな人とつながったことは喜んでいます。
越智
私は感謝される機会が増えたことが一番で、先ほど渡辺さんが主体的に取り組むということをおっしゃっていましたけれども、妻が忘れているごみ出しとか洗いものとか洗濯ものを気づかない間にやっておいて、妻がやらなきゃと思ったときにできている、というときにもらえる感謝の言葉は、すごく自然に出てきた感謝なので、それがすごく嬉しかったです。あとは子どもの友達に顔を覚えてもらっていて、2年くらいずっと保育園の送り迎えをしていると、私はそんなに全員の子を覚えているわけではないですけれども、向こうのほうから公園などでも話しかけてくれるのがすごく嬉しいです。
新田
妻から言われてうれしかったのは、あなたと結婚してよかったということです。中山さんと同じで、我が家も家事はやって当たり前のレベルで、ハードルが高いのですが、妻のキャリア支援に関して言うと結構うまくいっていて、育児を私がやってから、妻は仕事に専念できたことによって、二段階くらい出世しているんです。本人が満足して働いているので、給料も結果的に上がり、私も楽になったところがあって、まさにWin-Winの関係になりました。
若山
育児を妻任せにしていないので、一緒に子どもの話ができ、とても助かると言われたのが非常に嬉しかったです。今日はこんなことがあったとか、妻がいない時に子どもの様子はこうだったとか、子どもの話題を中心に色々な話をしています。もう一つ、これは言われた時はすごく恥ずかしかったのですが、幼稚園での父の日のイベントで、1人ずつお父さんに感謝の言葉を述べるというのがあり、「いつも会社でお仕事を頑張ってくれてありがとう」という子が多かった中、私の子どもは「いつもお洗濯をしてくれてどうもありがとう」と言ったんです。会社にいる姿はなかなか見てもらえないのですが、子どもが当たり前に家事をやっている自分をきちんと見てくれているということですね。将来そういうことを当たり前だと言える男になってくれたらいいなと。今思えば、それが嬉しかったです。

イクメンになろうという男性へ
「イクメンの星」からのメッセージ

写真
安藤
最後に、これからイクメンになろうという男性も増えてくると思いますが、後に続くイクメンに対して「星」から一言、メッセージをお願いします。
越智
1人で頑張らなくていいよということです。私も初めは1人で頑張ろうとしていた時期があり、その結果、体を壊してしまったのですが、そうしたところを素直に自分の上司に話してみたんです。そしたら育児短時間勤務の制度を教えてもらい、制度を利用したという経緯があるので、1人で抱え込まないで、まずは職場で周りに話してみるのもいいよと伝えたいです。
自己肯定感を持っていくことがすごく大事かなと思っています。育休をとるのはすごく勇気がいって、身近な人にも社会にも認められなかったりする部分があるのですが、自分として家族と仕事をどちらが大事だとかいろいろ決めながらやっていけば、後悔のない人生を送れるのかなと思います。
中山
「育ジ」を楽しむということですね。「育ジ」のジは、児童の児と自分の自です。自分を育むときもあるし、うまくいくときもあるし、そうでないときもあるし、悲しいときもあるけれども、そういうのをひっくるめて夫婦でコミュニケーションをとって、楽しんでやっていってもらいたいなと思います。
渡辺
難しく考えるよりも、自分が一言声をかけていくことで、保育園のママ友とも話す機会が増え、病気のときに見てあげるよと言ってもらえたり、思ったよりもみんなが助けてくれる、味方になってくれるのではないかと思います。
福井
育児も大事だけれども、奥さんを大切にしている人が多いのかなと思っています。私も子どもが生まれて、奥さんを見直す機会も多くなったので、育児を楽しみながら奥さんを大切にしています。
若山
1人で抱え込まないで、インターネットでも(イクメンの)ネットワークが自分の支えになると思います。こういう情報を大事にしてほしいです。
新田
イクメンとか男が育休をとるとかいうと、どうしても出世競争から降りるやつみたいな感じに見られてしまうのですが、そんなことは絶対にない。むしろ出世レースに残っていける人間なのではないかと思います。ここにいらっしゃる皆さんを見ても仕事ができる方ばかりだと思いますし、時間がないというリソースがない中で成果を出せることもそう、リスク管理ができる、コミュニケーションスタイルが変わる、マネジメントが変わる、ヒアリング力、コーチング力、多分ビジネスで活かせるスキルが得られやすい環境だと思います。それを有効に活かせば、仕事でも成果が出せるはずです。そういった機会でもあるので、ぜひ有効活用をしてほしいなと思っています。
安藤
育児は自分のスキルやキャリアも上げるためのチャンスでもあるということですね。皆さん、ありがとうございました。

イクメンの星 トップへ戻る