「ファザーリング全国フォーラムinやまがた」活動報告
2016年11月11日(金)、12日(土)の2日間、「ファザーリング全国フォーラムinやまがた」が山形県山形市にて開催されました。
「山形から発信!~イグメン・イクボスが未来を拓く~父親の笑顔、母親の笑顔、子どもの笑顔が社会を変える」をスローガンに開催された今回のフォーラムには、企業、NPO、行政等の関係者のほか、一般の方々などが来場しました。
開催場所:山形ビッグウイング(山形県山形市平久保100番地)
主 催:ファザーリング全国フォーラムinやまがた実行委員会(NPO法人ファザーリング・ジャパン、山形県、NPO法人ファザーリング・ジャパン東北、
やまがたイグメン共和国、山形市、山形県男女共同参画センター)
分科会としてセミナー等を開催
テーマ:「メリット満載!イクボス的パパ育休取得マネージメントセミナー」
日時:2016年11月11日(金)15:15~17:15
■講演「山形の男性育休の現状」
登壇者:山形労働局 雇用環境・均等室長 青山 雄一氏
■セミナー「メリット満載!イクボス的パパ育休取得マネージメントセミナー」
講師:イクメンプロジェクト推進委員/中央大学大学院戦略経営研究所特任研究員 高村 静氏
内容
イクメンプロジェクトで制作した管理職向けの職場内研修資料を用いながら、育休取得推進における課題や工夫、具体策等について講演しました。
展示ブースを設置
今年度イクメンプロジェクトで作成した、イクメン企業アワード2016受賞企業の取組を紹介する事例集、イクボスアワード2016受賞者の取組を紹介するインタビュー集など、各種資料を配布しました。
配布した事例集等はこちらからダウンロードできます。
イベントレポート【イクメン推進シンポジウムを開催しました!】
平成28年10月18日(火)、日本科学未来館(東京)においてイクメン推進シンポジウムを開催しました。 前半では「イクメン企業アワード2016」表彰式、「イクボスアワード2016」表彰式を行い、後半では「悩める企業担当者必見!取組先進企業の成功事例とは」をテーマにしたパネルディスカッションを行いました。
イクメン企業アワード2016表彰式
当日は、厚生労働省雇用均等・児童家庭局 吉田 学局長が出席し、受賞企業4社に表彰状とトロフィーが授与されました。
表彰後では、特別奨励賞受賞企業2社の取組紹介、イクメンプロジェクト推進委員会座長 駒崎 弘樹氏(認定NPO法人フローレンス代表理事)による総評が行われました。
グランプリ(2社)※五十音順
株式会社丸井グループ(東京都)
リコーリース株式会社(東京都)
特別奨励賞(2社)※五十音順
大成建設株式会社(東京都)
大和証券株式会社(東京都)
◎駒崎 弘樹氏 総評(抜粋)
○全体総評
4回目のイクメン企業アワードは応募要件が厳しくなったにもかかわらず、30社を超える企業からご応募を頂いた。
今回のイクメン企業アワードは、建築業界、証券業界といったハードワークな業界からも「業界を変えるモデル形成」になるような事例が出始めているということが特徴。業界全体に波及してくことを期待する。
安倍政権のいう「女性の輝く社会」実現のためには「男性の働きかた改革」は重要課題。
受賞した皆さんはそういった社会変革の先端にいる。受賞企業から社会全体へ広がっていくことを望んでいる。
○受賞各社の評価ポイント
・株式会社丸井グループ
2014年にイクメン企業アワード特別奨励賞を受賞しているが、そこで満足し歩みを止めることなく、さらに上を目指し、歩み続けてきたことが素晴らしい。
さらに育休だけにとどまらず、「一時的に勤務エリアを限定して働ける」制度の導入など、働きかた改革についても取り組んでいる。
さらに時間外労働について目標数値を立て、事業所別に設定し、それを守れているかチェックするという取組も他社にとって参考になる要素である。
・リコーリース株式会社
「イクメン・チャレンジ休暇制度」を導入し、育休取得率を20%から76.5%にあげている。「育休」という言葉だった場合このような数値には届かなかったかもしれない。
育休取得期間を最低5営業日以上とハードルを下げ、中間目標を設定することにより着実に目標達成に向け取り組まれた点を評価した。
さらに育休取得者は取得後に配偶者からのコメント付きの育児参加報告書を提出するという配偶者(ステークホルダー)をも巻き込んだ施策も行っており、他社にとって非常に参考になる。
・大成建設株式会社
建設業界は、流動的な勤務時間かつ男性比率が多いことから改革が難しいとされているにも関わらず、大成建設は育児休業取得率100%を目標として掲げ、地道にセミナー等の啓発を行なっている。社長自ら長時間労働をやめるよう発信していることも評価したい。
長時間労働削減のためのキャッチーな標語「トリプル100」に、男性従業員の育休取得率100%を加えた「トリプル100プラス1」という社内一丸となった取り組みが素晴らしい。さらに育休を取得することでハンデを負うがないような取り組み方が評価できる。
・大和証券株式会社
「19時前に退社」という宣言で長時間労働を脱する取組をしているだけでなく、社員はその時間を自己研鑚に取り組んでいることをデータによって証明している点が素晴らしい。育休取得率が2%から73%に上昇したことは、取組が成果につながるという強いメッセージになっているように思う。
「上司の巻き込み」というイクボス対策についてもしっかり取り組まれている。
厳しい業界でも変革は可能だ、と強く発信してもらえたように思う。
イクボスアワード2016表彰式
厚生労働省雇用均等・児童家庭局 吉田 学局長より、受賞者7名に表彰状とトロフィーが授与されました。表彰後には、受賞者7名による取組紹介、イクメンプロジェクト推進委員 坂爪 洋美氏(法政大学キャリアデザイン学部 教授)による総評が行われました。
グランプリ(3名)※五十音順
齊藤 重光氏(青森県警察 弘前警察署長)
森田 誠氏(戸田建設株式会社 東京支店 建築工事5部長)
鷲田 淳一氏(P&Gジャパン株式会社 経営管理本部 アソシエイトディレクター)
特別奨励賞(4名)※五十音順
井上 祥子氏(株式会社セプテーニ オペレーション本部 シニアディレクター)
日比野 寿実氏(日本オーチス・エレベータ株式会社 東日本支社神奈川支店横浜営業所 所長)
三尾 幸司氏(株式会社JSOL 流通・サービスビジネス事業部 チームマネジャー)
森下 大二郎氏(コネクシオ株式会社 常務執行役員 コンシューマ・マーケティング部門長)
◎坂爪 洋美氏 総評(抜粋)
○全体総評
今年で3回目の開催となるイクボスアワードでは、59名のエントリーを頂いた。 今回のイクボスアワードでは、特に忙しい業界・業態を持っている会社の中で取組を体現している企業の中から選出した。
時々、「イクボスも大事だが、会社の業績が上がることのほうが大事だ」という反論を耳にすることがあるが、受賞されたイクボスの方々は、「部下が最大限のパフォーマンスを発揮することが結果的に会社の業績向上につながる」という考えを常に根底に持っていると感じた。
部下はワークライフバランスが保てているときに持続可能な輝き・働きを発揮する。
今回の受賞者の方々は部下の幸せを考えているだけでなく、「未来のイクボスを育てている人」だと感じる。
全ての管理職の方はイクボスになれるので、皆さんにも少しでも真似をできるところから取り組んでもらえることを期待する。
○受賞者の評価ポイント
・齊藤 重光氏(青森県警察 弘前警察署長)
警察署という、一般的にはなかなか変革が難しい業態でありながら、県警初の男性の育児休業取得を実現するなど、柔軟な制度や働きかたを取り入れている点を評価した。
父親となる職員を署長室に呼び休暇計画書を共に作成するといった一歩歩み寄った姿勢も素晴らしい。
・森田 誠氏(戸田建設株式会社 東京支店 建築工事5部長)
難しい業界でありながら、組織全体の風通しの良さを非常に感じた。その点を高く評価している。受賞者自身も率先して家庭と仕事の両立を大事にしているだけでなく積極的にそれを部下に伝えている点も素晴らしい。
・鷲田 淳一氏(P&Gジャパン株式会社 経営管理本部 アソシエイトディレクター)
2週間に1度面談を行い、部下の能力を引き出せるように制度の活用などについて話し合い、部下を全面的にサポートしていくという姿勢を評価した。
自身も毎日定時に退社し、子どもの幼稚園の送迎を行うなどロールモデルとしても素晴らしいと感じる。
・井上 祥子氏(株式会社セプテーニ オペレーション本部 シニアディレクター)
自らが育休取得したのち短時間勤務を経てフルタイム勤務に戻った実績の持ち主で、他の女性に対しキャリア形成ロールモデルとしての役割を果たした。
他部署と連携し、タスクを把握・予測するための業務可視化を図った「キャパシティカレンダー」の導入や、誰かが育休を取るために誰かが残業する「フォロー残業」が無くなるように取り組んでいる点も非常に評価できる。
・日比野 寿実氏(日本オーチス・エレベータ株式会社 東日本支社神奈川支店横浜営業所 所長)
社内にワークライフバランス委員会を立ち上げ、有給取得日数を前年度比43%アップさせただけでなく、各拠点で導入可能な変形労働制を導入し、時間外労働を47%削減した。
プライベートでもパパの会に所属し積極的に育児に参加するなど、自身の権限の中で様々な挑戦をされている点が素晴らしい。
・三尾 幸司氏(株式会社JSOL 流通・サービスビジネス事業部 チームマネジャー)
約100名という非常に多くの部下をもちながら、所属する事業部全体の働きかた改革のリーダーとして会議を工夫しているほか、早帰り推進ルールを設定し、メンバーが働きやすい関係を構築できるような工夫を行っている。
プライベートにおいては家事分担の他PTA会長を4年間務めるという地域貢献も非常に評価できる。
・森下 大二郎氏(コネクシオ株式会社 常務執行役員 コンシューマ・マーケティング部門長)
女性ショップ店長に初めて短時間勤務を導入し、社内だけでなく取引先にまで調整を行い、後に続く人たちの手本となった。
労働時間の短縮や有給休暇の取得など、育児に関わらず、多様な人財が活躍できるように3年前から継続して取り組んできた姿勢も高く評価している。
Social Business Idea Contest 公開プレゼンテーション
男性の一層の「家庭進出」を促し、社会が変えられるような方策について、学生の皆さんからアイデアを募集したところ、全国から48件のご応募がありました。
その48件から書類選考を通過した5組の学生による公開プレゼンテーションを実施しました。
コンテストの目的
今や男性・女性にかかわらず社会で活躍できる時代。家庭と育児の役割が偏る日本社会を変えるため、「男性の一層の「家庭進出」を促し、男女ともに仕事も家庭もあきらめない社会にするための方策」をテーマにアイデアを募集しました。
開催概要
■日時 平成29年3月13日(月)14:30~17:40(14:00開場)
■場所 Yahoo! JAPANコワーキングスペース「LODGE」
■コーディネーター
堀江 敦子氏(イクメンプロジェクト推進委員会 委員 スリール株式会社 代表取締役社長)
■審査員
新田 龍氏(イクメンプロジェクト推進委員会 委員/第4回イクメンの星・働き方改革総合研究所株式会社代表取締役)
羽生 祥子氏(イクメンプロジェクト推進委員会 委員/『日経DUAL』 編集長)
高橋 一晃氏(TBSテレビ 情報制作局プロデューサー・スーパーダディ協会代表理事)
プレゼンテーション
【発表者1】 [tsuchiya] (工学院大学)
【発表タイトル】「イクメンデー推進によるイクメン増加への提案」
【発表概要】
現在イクメンでないパパは「子供と共に行動すること」に興味・メリットを感じさせることでより一層の育児参加に繋がる。イクメンデーを設定し各企業が魅力的な割引や特典等を付けることでイクメンが継続的に増える仕組み作りを提案。
【発表者2】[玉川大学中村ゼミ] (玉川大学)
【発表タイトル】学生向け啓発ビデオの発信〜動画で意識改革〜
【発表概要】
学生が育児に対する意識をさらに高く持つことになれば就職活動の企業選びに育児制度の充実さをより重要視する。企業も良い人材を採用するために環境整備をする必要が出てくる。大学生が学生に向けて育児に関する啓発動画をSNSで発信し、男性の育児休業取得率を上げるべくイクメンムーブメントを起こすことを提案。
【発表者3】[ヤンソンブラザーズ] (九州大学)
【発表タイトル】「未来の育児休暇 提案書」
【発表概要】
育児休業を取得したいが、職場に人員が減ってしまうことを懸念し取得に踏み切れない。
育児休業による人員の減少を防ぐべく、一時的に学生のインターンシップを採用するという「育休取得希望者 × 学生のマッチングサービス」の導入を提案。
【発表者4】[坂田 直奈美](中央大学)
【発表タイトル】Grow lounge~真のワークライフバランスをめざして~
【発表概要】
男性の育児参加率の低さについて、男性の育児参加を良しとしない「職場の雰囲気」が大きく影響している。社員食堂に託児所の機能を持たせることにより、「家庭と仕事の両立は、『個々で実現するもの』ではなく『みんなで共有し、創るもの』という意識改革を提案。
【発表者5】[クッキングパパ] (法政大学)
【発表タイトル】絆レストラン
【発表概要】
料理は家事の大きな割合を占め、女性も男性の協力を求めている。そのために、家事の要である料理、その料理を出来るようになりたい若者を男女問わず料理の出来る若者に変えることで家庭進出につなげることを提案。
審査結果
グランプリ
テーマ:「未来の育児休暇 提案書」
チーム名:ヤンソンブラザーズ (九州大学)
準グランプリ
テーマ:「大学生向け啓発ビデオの発信 ~動画で意識改革~」
チーム名:玉川大学中村ゼミ(玉川大学)
羽生委員からの総評
審査委員を代表して、イクメンプロジェクト推進委員会の羽生委員より総評を頂きました。
■グランプリ
男性の育休とインターンを掛け合わせたところに発想力、オリジナリティがあった。
また、発想だけではなく「国から補助金を得る」という現実性の高いアイデアに対し、高い企画力を感じられた。
組織マネジメントという観点からも実現可能なものであると思うし、企業としても育休を取る過程で生じる『引き継ぎのノウハウ』をデータ化し、実践する機会として有益であり、是非実現する企業が現れて欲しい。
■準グランプリ
取り組みやすさに評価があった。クラウドファンディングにより動画作成コストを賄うという視点も現実的であり、拡散・波及に期待が持てる。
若い男性(未来のイクメン)自らが声を上げていくことに非常に意義があるように思う。
エントリーされたどの取り組みも魅力的なものであったが、
新しいアイデアを立ち上げるとき周囲からの賛同は得られることは少ない。
新しいことを社会に提言する人は誰しも異端児であり、そこから大きなうねりに変えていくことに醍醐味があると思う。
本日アイデアを発表してくれた皆さんが社会、一人一人の幸せの懸け橋となるイノベーターでありつづけることを願っている。
その他 パネルトークの模様
今回の審査委員を務めた方々によるパネルトーク。
「働き改革と男性の家庭進出」というテーマのもと、議論が交わされました。
左から 堀江 敦子氏、新田 龍氏、羽生 祥子氏、高橋 一晃氏
懇親会の模様
コンテスト終了後は、参加した学生5組とイクメンプロジェクト推進委員、来場されていた社会人や学生との交流の場として懇親会を行いました。終始和やかなムードで、参加された方々にとって、有意義な時間となりました。
鳥取県と共催でイクボス研修を開催
2017年1月19日(木)、鳥取県と共催でイクボス研修を開催しました。
開催場所:鳥取県庁講堂
主催:鳥取県庁、厚生労働省委託事業「イクメンプロジェクト」
イクメンプロジェクトでは、第2部にセミナーを開催
テーマ:「これからの管理職像~イクボスとは?~」
講師:イクメンプロジェクト推進委員/NPO法人グリーンパパプロジェクト 代表理事 吉田 大樹氏
内容:
今年度イクメンプロジェクトで制作した管理職向けの職場内研修資料を使用し、男性の育児休業取得の必要性や今の管理職に必要な部下のマネジメント方法について説明しました。
当日使用した研修資料はこちら
第1部では、鳥取県主催によるセミナーが行われました。「理想と現実の狭間でイクボスになるための10の方法」をテーマに、「イクボスアワード2015」グランプリ受賞者のニフティ株式会社長谷川晃司様がご登壇されました。
「イクボスインタビュー集2015」はこちら(PDF:7.7MB)
Women Will 、朝日新聞社 WORKOと 共催で「 Work と Life 両立のための実践ヒント」を開催
2016年12月16日(金)、Women Will 、朝日新聞社 WORKOと 共催で「 Work と Life 両立のための実践ヒント」を開催しました。
開催場所:Googleオフィス
主 催:Google Women Will、厚労省委託事業イクメンプロジェクト、WORKO(朝日新聞社)
イクメンプロジェクトでは、セミナーを開催
テーマ:「男性の意識改革のためのヒント」
講師:イクメンプロジェクト推進委員/働き方改革総合研究所株式会社 代表取締役社長 新田 龍氏
内容
今年度イクメンプロジェクトで制作した職場内研修資料(従業員向け)を使用し、男性の育児休業の必要性や取得にあたっての工夫等について説明しました。
当日使用した研修資料はこちら
このほか、WomenWillによるテクノロジーを使った働き方の実証実験である「未来の働き方トライアル」の結果と 「共働き夫婦を対象にしたテクノロジー利用調査」の結果の発表や朝日新聞社 WORKO 主催による、「夫婦間のコミュニケーションのヒント」として、
朝日新聞社 プロデューサー 浜田敬子氏、NPO 法人 tadaima! 代表理事 家事シェア研究科 三木智有氏、NPO 法人ファザーリング・ジャパン理事 林田香織 氏による実体験を交えたトークセッションが行われました。
「ファザーリング全国フォーラムinやまがた」活動報告
2016年11月11日(金)、12日(土)の2日間、「ファザーリング全国フォーラムinやまがた」が山形県山形市にて開催されました。
「山形から発信!~イグメン・イクボスが未来を拓く~父親の笑顔、母親の笑顔、子どもの笑顔が社会を変える」をスローガンに開催された今回のフォーラムには、企業、NPO、行政等の関係者のほか、一般の方々などが来場しました。
開催場所:山形ビッグウイング(山形県山形市平久保100番地)
主 催:ファザーリング全国フォーラムinやまがた実行委員会(NPO法人ファザーリング・ジャパン、山形県、NPO法人ファザーリング・ジャパン東北、 やまがたイグメン共和国、山形市、山形県男女共同参画センター)
分科会としてセミナー等を開催
テーマ:「メリット満載!イクボス的パパ育休取得マネージメントセミナー」
日時:2016年11月11日(金)15:15~17:15
■講演「山形の男性育休の現状」
登壇者:山形労働局 雇用環境・均等室長 青山 雄一氏
■セミナー「メリット満載!イクボス的パパ育休取得マネージメントセミナー」
講師:イクメンプロジェクト推進委員/中央大学大学院戦略経営研究所特任研究員 高村 静氏
内容
イクメンプロジェクトで制作した管理職向けの職場内研修資料を用いながら、育休取得推進における課題や工夫、具体策等について講演しました。
展示ブースを設置
今年度イクメンプロジェクトで作成した、イクメン企業アワード2016受賞企業の取組を紹介する事例集、イクボスアワード2016受賞者の取組を紹介するインタビュー集など、各種資料を配布しました。
配布した事例集等はこちらからダウンロードできます。
イクメンスピーチ甲子園2016
今年のイクメンスピーチ甲子園の決勝戦は、「イクメンオブザイヤー2016」内で開催いたしました。
イクメンプロジェクトサイトにて育児と仕事の両立に関するエピソードを募集、応募総数67名の中から、決勝進出となった3名が、スピーチで競い合いました。
今年度のイクメンオブザイヤー授賞者がスピーチ審査を行い、優勝者を決定しました。
コーディネーター:
おちまさと氏(イクメンプロジェクト推進委員、プロデューサー)
審査員:
井上 康生氏 (柔道家)
水谷 隼 氏 (プロ卓球選手)
ユージ 氏 (タレント)
イベントレポート【イクメン推進シンポジウムを開催しました!】
平成28年10月18日(火)、日本科学未来館(東京)においてイクメン推進シンポジウムを開催しました。 前半では「イクメン企業アワード2016」表彰式、「イクボスアワード2016」表彰式を行い、後半では「悩める企業担当者必見!取組先進企業の成功事例とは」をテーマにしたパネルディスカッションを行いました。
イクメン企業アワード2016表彰式
当日は、厚生労働省雇用均等・児童家庭局 吉田 学局長が出席し、受賞企業4社に表彰状とトロフィーが授与されました。
表彰後では、特別奨励賞受賞企業2社の取組紹介、イクメンプロジェクト推進委員会座長 駒崎 弘樹氏(認定NPO法人フローレンス代表理事)による総評が行われました。
グランプリ(2社)※五十音順
株式会社丸井グループ(東京都)
リコーリース株式会社(東京都)
特別奨励賞(2社)※五十音順
大成建設株式会社(東京都)
大和証券株式会社(東京都)
◎駒崎 弘樹氏 総評(抜粋)
○全体総評
4回目のイクメン企業アワードは応募要件が厳しくなったにもかかわらず、30社を超える企業からご応募を頂いた。
今回のイクメン企業アワードは、建築業界、証券業界といったハードワークな業界からも「業界を変えるモデル形成」になるような事例が出始めているということが特徴。業界全体に波及してくことを期待する。
安倍政権のいう「女性の輝く社会」実現のためには「男性の働きかた改革」は重要課題。
受賞した皆さんはそういった社会変革の先端にいる。受賞企業から社会全体へ広がっていくことを望んでいる。
○受賞各社の評価ポイント
・株式会社丸井グループ
2014年にイクメン企業アワード特別奨励賞を受賞しているが、そこで満足し歩みを止めることなく、さらに上を目指し、歩み続けてきたことが素晴らしい。
さらに育休だけにとどまらず、「一時的に勤務エリアを限定して働ける」制度の導入など、働きかた改革についても取り組んでいる。
さらに時間外労働について目標数値を立て、事業所別に設定し、それを守れているかチェックするという取組も他社にとって参考になる要素である。
・リコーリース株式会社
「イクメン・チャレンジ休暇制度」を導入し、育休取得率を20%から76.5%にあげている。「育休」という言葉だった場合このような数値には届かなかったかもしれない。
育休取得期間を最低5営業日以上とハードルを下げ、中間目標を設定することにより着実に目標達成に向け取り組まれた点を評価した。
さらに育休取得者は取得後に配偶者からのコメント付きの育児参加報告書を提出するという配偶者(ステークホルダー)をも巻き込んだ施策も行っており、他社にとって非常に参考になる。
・大成建設株式会社
建設業界は、流動的な勤務時間かつ男性比率が多いことから改革が難しいとされているにも関わらず、大成建設は育児休業取得率100%を目標として掲げ、地道にセミナー等の啓発を行なっている。社長自ら長時間労働をやめるよう発信していることも評価したい。
長時間労働削減のためのキャッチーな標語「トリプル100」に、男性従業員の育休取得率100%を加えた「トリプル100プラス1」という社内一丸となった取り組みが素晴らしい。さらに育休を取得することでハンデを負うがないような取り組み方が評価できる。
・大和証券株式会社
「19時前に退社」という宣言で長時間労働を脱する取組をしているだけでなく、社員はその時間を自己研鑚に取り組んでいることをデータによって証明している点が素晴らしい。育休取得率が2%から73%に上昇したことは、取組が成果につながるという強いメッセージになっているように思う。
「上司の巻き込み」というイクボス対策についてもしっかり取り組まれている。
厳しい業界でも変革は可能だ、と強く発信してもらえたように思う。
イクボスアワード2016表彰式
厚生労働省雇用均等・児童家庭局 吉田 学局長より、受賞者7名に表彰状とトロフィーが授与されました。表彰後には、受賞者7名による取組紹介、イクメンプロジェクト推進委員 坂爪 洋美氏(法政大学キャリアデザイン学部 教授)による総評が行われました。
グランプリ(3名)※五十音順
齊藤 重光氏(青森県警察 弘前警察署長)
森田 誠氏(戸田建設株式会社 東京支店 建築工事5部長)
鷲田 淳一氏(P&Gジャパン株式会社 経営管理本部 アソシエイトディレクター)
特別奨励賞(4名)※五十音順
井上 祥子氏(株式会社セプテーニ オペレーション本部 シニアディレクター)
日比野 寿実氏(日本オーチス・エレベータ株式会社 東日本支社神奈川支店横浜営業所 所長)
三尾 幸司氏(株式会社JSOL 流通・サービスビジネス事業部 チームマネジャー)
森下 大二郎氏(コネクシオ株式会社 常務執行役員 コンシューマ・マーケティング部門長)
◎坂爪 洋美氏 総評(抜粋)
○全体総評
今年で3回目の開催となるイクボスアワードでは、59名のエントリーを頂いた。 今回のイクボスアワードでは、特に忙しい業界・業態を持っている会社の中で取組を体現している企業の中から選出した。
時々、「イクボスも大事だが、会社の業績が上がることのほうが大事だ」という反論を耳にすることがあるが、受賞されたイクボスの方々は、「部下が最大限のパフォーマンスを発揮することが結果的に会社の業績向上につながる」という考えを常に根底に持っていると感じた。
部下はワークライフバランスが保てているときに持続可能な輝き・働きを発揮する。
今回の受賞者の方々は部下の幸せを考えているだけでなく、「未来のイクボスを育てている人」だと感じる。
全ての管理職の方はイクボスになれるので、皆さんにも少しでも真似をできるところから取り組んでもらえることを期待する。
○受賞者の評価ポイント
・齊藤 重光氏(青森県警察 弘前警察署長)
警察署という、一般的にはなかなか変革が難しい業態でありながら、県警初の男性の育児休業取得を実現するなど、柔軟な制度や働きかたを取り入れている点を評価した。
父親となる職員を署長室に呼び休暇計画書を共に作成するといった一歩歩み寄った姿勢も素晴らしい。
・森田 誠氏(戸田建設株式会社 東京支店 建築工事5部長)
難しい業界でありながら、組織全体の風通しの良さを非常に感じた。その点を高く評価している。受賞者自身も率先して家庭と仕事の両立を大事にしているだけでなく積極的にそれを部下に伝えている点も素晴らしい。
・鷲田 淳一氏(P&Gジャパン株式会社 経営管理本部 アソシエイトディレクター)
2週間に1度面談を行い、部下の能力を引き出せるように制度の活用などについて話し合い、部下を全面的にサポートしていくという姿勢を評価した。
自身も毎日定時に退社し、子どもの幼稚園の送迎を行うなどロールモデルとしても素晴らしいと感じる。
・井上 祥子氏(株式会社セプテーニ オペレーション本部 シニアディレクター)
自らが育休取得したのち短時間勤務を経てフルタイム勤務に戻った実績の持ち主で、他の女性に対しキャリア形成ロールモデルとしての役割を果たした。
他部署と連携し、タスクを把握・予測するための業務可視化を図った「キャパシティカレンダー」の導入や、誰かが育休を取るために誰かが残業する「フォロー残業」が無くなるように取り組んでいる点も非常に評価できる。
・日比野 寿実氏(日本オーチス・エレベータ株式会社 東日本支社神奈川支店横浜営業所 所長)
社内にワークライフバランス委員会を立ち上げ、有給取得日数を前年度比43%アップさせただけでなく、各拠点で導入可能な変形労働制を導入し、時間外労働を47%削減した。
プライベートでもパパの会に所属し積極的に育児に参加するなど、自身の権限の中で様々な挑戦をされている点が素晴らしい。
・三尾 幸司氏(株式会社JSOL 流通・サービスビジネス事業部 チームマネジャー)
約100名という非常に多くの部下をもちながら、所属する事業部全体の働きかた改革のリーダーとして会議を工夫しているほか、早帰り推進ルールを設定し、メンバーが働きやすい関係を構築できるような工夫を行っている。
プライベートにおいては家事分担の他PTA会長を4年間務めるという地域貢献も非常に評価できる。
・森下 大二郎氏(コネクシオ株式会社 常務執行役員 コンシューマ・マーケティング部門長)
女性ショップ店長に初めて短時間勤務を導入し、社内だけでなく取引先にまで調整を行い、後に続く人たちの手本となった。
労働時間の短縮や有給休暇の取得など、育児に関わらず、多様な人財が活躍できるように3年前から継続して取り組んできた姿勢も高く評価している。
パネルディスカッション
イクメン企業アワード2016 グランプリ受賞2社の取組紹介や愛知県の事例紹介などを中心に70分のディスカッションを行いました。