「イクメン推進シンポジウム2020」を開催しました!
2020年11月20日(金)「イクメン推進シンポジウム2020」を開催しました。
今回はじめてオンライン配信を行い、2000名を超える皆様にご視聴いただきました。
当日は、「イクメン企業アワード2020」「イクボスアワード2020」の受賞企業・受賞者の方の表彰、取組事例の紹介に加え、男性の仕事と育児の両立や育児休業取得促進に関する理解を深めるためのパネルディスカッションを行いました。
当日の模様のアーカイブ動画は下記URLよりご覧いただけます。
https://www.youtube.com/watch?v=0NrgyVUhJ2A&t=4865s
厚生労働省 雇用環境・均等局 坂口卓局長(抜粋)
ご受賞された受賞企業、管理職の皆様、誠におめでとうございます。田村厚生労働大臣よりご挨拶を預かりましたので、代読させていただきます。
受賞企業、管理職の皆様方に心からお祝いを申し上げると共に、日頃から仕事と育児を両立しやすい職場環境づくりにご尽力いただいておりますことに深く敬意を申し上げます。
男性が積極的に育児を行うことは、子育て環境の充実や女性の継続就業の観点からも非常に重要です。しかしながら男性が育児に関わる時間は国際的に見ても日本は1時間あまりと低い水準です。男性の育児休業取得率は近年上昇傾向にあるものの、未だ7.48%にとどまっています。
この状況を改善するため、イクメンプロジェクトや男性の育児休業取得に取り組む事業主への支援、子育てをしやすい企業の認定制度である「くるみん認定・プラチナくるみん認定」の普及などに取り組んでおります。また、労働政策審議会において男性が育児休業を取得しやすい職場環境の実現についてご議論をいただいております。
受賞企業、受賞者の皆様のこれまでの取り組みはこうした動きを先取りするものであり、他の模範となる素晴らしいものであります。受賞された皆様には引き続きそれぞれの取り組みを推進し、リーディングカンパニーとして男性の育児休業取得を牽引いただくよう、お願いします。
シンポジウムにご参加いただきました皆様におかれましても、受賞企業・受賞者の取組を参考に、仕事と育児を両立できる職場環境づくりを進めていただきますようお願いします。
イクメン企業アワード2020 表彰式
両立支援部門
「イクメン企業アワード両立支援部門」は、男性の仕事と育児の両立を積極的に促進し、業務改善を図る企業を表彰するものです。
イクメン企業アワード 2020両立支援部門 受賞企業(五十音順) |
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グランプリ | 株式会社技研製作所(高知県) |
積水ハウス株式会社(大阪府) | |
奨励賞 | 双日株式会社(東京都) |
理解促進賞 | 江崎グリコ株式会社(大阪府) |
特別賞 | (コロナ対応)日本航空株式会社(東京都) |
(地方特別)株式会社プロトソリューション(沖縄県) |
○受賞各社の評価ポイント
◎グランプリ
◎奨励賞
- 双日株式会社
-
社員の仕事と育児の両立環境を重視した取組、コロナ禍での特別休暇創設や段階的復職の特別措置などの迅速な対応
- ・育休取得率23%から2年の間に育休取得率が50%と大幅に増加。
- ・セミナーやファミリーサポート休暇、フレックスやシッターなど、育児支援から働き方支援とキャリアを止めないための多方面からの取り組んでいる。
- ・単なるテレワーク率の向上のみならず、在宅と出社の組み合わせでの生産性を追求している。
- ・休園・休校で休まざるを得ない社員に対して、有給の特別休暇を創設。時短勤務よりも更に短時間のテレワークができる段階的復職の特別措置を設置している。
◎理解促進賞
- 江崎グリコ株式会社
-
子ども向け菓子が発祥の食品メーカーならではのアイディア・技術で、社会に「イクメン」の存在を発信
- ・子育てアプリ提供、パパあそび動画、官公庁職員とのパパ座談会、コロナ禍でのオンライン「ミルク調乳指導」など様々な取組を行っており、菓子の食品メーカーならではのアイディアと技術で、社会に「イクメン」の存在を発信、貢献している。
- ・テレワークの導入とノウハウの確立により、2020年8月時点でも出社率20%の上限を設定して積極的に実施することで、コロナ禍での育児と仕事の両立を実現している。
◎特別賞(コロナ対応)
- 日本航空株式会社
-
どんな状況でも社員が活躍できる環境を整備
- ・緊急事態宣言下でリモートワーク実施率をスピーディーに上昇させた後もルールを定め、その後の働き方改革につなげている。
- ・ワークスタイル変革等の取組を通じて、時間の制約にかかわらず社員が活躍できる環境を整備している。
◎特別賞(地方特別)
- 株式会社プロトソリューション
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社員の成長とニーズを理解し、自社の技術を生かした独自の取組
- ・テレワーク導入が難しいといわれるコールセンター業務を在宅で行えるようにする環境整備を行っている。
- ・社員の能力開発・キャリア形成と両立させる残業のない働き方を目指し社員の定着に取り組んでいる。
- ・感謝を伝えるアプリの開発など、自社の技術を生かした独自の取組を進め働きやすい・働きがいのある職場環境づくりを行っている。
イクボスアワード2020 表彰式
部下の仕事と育児の両立を支援する管理職=「イクボス」を企業からの推薦によって募集し、表彰するもので、今回は48人の応募の中から、グランプリ2人、奨励賞1人を選定しました。
イクボスアワード2020 受賞者(五十音順) | |
グランプリ | 社会福祉法人スプリング 大久保 友紀子氏 |
株式会社スープストックトーキョー 西谷 達彦さん |
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奨励賞 | 株式会社ビースタイルホールディングス 松浦 修治さん |
○受賞者の評価ポイント
◎グランプリ
- 大久保 友紀子氏(社会福祉法人スプリング)
-
人手不足の介護業界において、ICT等様々な面での業務効率化
- ・人材不足が課題となっている介護業界において、ICTによる業務効率化や、身体的負荷を軽減するノーリフティングケアを主導している。
- ・コロナ禍においても部下の行動を制限することなく、感染予防対策をしっかり行った上で日常生活を継続できるよう支援している。
- 西谷 達彦氏(株式会社スープストックトーキョー)
-
自身の育児経験をワークにつなげるシナジーを体現
- ・「全員で情報を共有すること」「ルーティン業務のマニュアル化」といった働き方改革に必要な事柄をチーム内に徹底している。
- ・自身の体験をもとに「子どもに安心して食べさせることができる離乳食」の開発に携わるなど、育児の経験をビジネスつなげるシナジーを体現している。
◎奨励賞
- 松浦 修治氏(株式会社ビースタイルホールディングス)
-
子育て社員が多い環境でパフォーマンスが出せるオリジナル有効策
- ・社内に子育て中の社員が多く、育児休業取得予定者も複数いるなかで、タスクを可視化、相互サポート、業務の優先順位付けなどを率先して行い、チームのパフォーマンスを上げている。
- ・コロナ禍の在宅勤務トラブルにも対応し、スタッフ間のサポート体制を組んでいる。
■駒崎 弘樹氏 総評(個別企業向け発言以外の抜粋)
受賞の企業の皆様ご受賞おめでとうございます。
2014年から始まり今年で8年目になり、今年も全国から多くの企業の皆様に応募いただきました。
今年は新型コロナウイルス感染症による企業活動への影響もあって大変な中、男性の育児休業取得、育児と仕事の両立を促していくことは例年に比べより難しかったのではないかと思います。受賞された企業・イクボスの皆様は、その厳しい環境の中非常によくトライされていると思う。
こうした素晴らしい企業やイクボスが増えていくことによって企業内変革が進んでいくと感じている。
皆様方が模範となってぜひ企業・社会を変えていただきたい。
この日本の働き方を変え、子どもたちと笑って過ごせる、男女関係なく子育てに関わり続けられるそんな社会を共に作っていっていただきたい。
イクメンプロジェクトチャンネルも併せてご覧ください!
パネルディスカッションを「イクメン推進シンポジウム」で実施
「イクメン推進シンポジウム」の後半では、「新型コロナウイルスは働き方にどのような影響を与えたか」をテーマにパネルディスカッションを実施しました。
羽生 祥子 氏(日経xwoman(クロスウーマン)総編集長、日経ARIA編集長、日経DUAL創刊編集長)の進行のもと、グランプリ受賞企業2社から取組紹介、そして国保 祥子 氏(静岡県立大学経営情報学部 准教授、株式会社ワークシフト研究所 所長、育休プチMBA代表)、高村 静 氏(中央大学大学院戦略経営研究科 准教授)がイクメン推進の現状や今後の施策、世の中の緊急事態下での企業の内情を議論し盛大に開催されました。
概要
■テーマ
「新型コロナウイルスは働き方にどのような影響を与えたか」
■コーディネーター
羽生 祥子 氏(日経xwoman(クロスウーマン)総編集長、日経ARIA編集長、日経DUAL創刊編集長)
■パネリスト
溝渕 千賀 氏(株式会社技研製作所 財務課 課長 )
伊藤 みどり 氏(積水ハウス株式会社 ダイバーシティ推進部 執行役員)
高村 静 氏(中央大学大学院戦略経営研究科 准教授)
国保 祥子 氏(静岡県立大学経営情報学部 准教授、株式会社ワークシフト研究所 所長、育休プチMBA代表)
登壇者コメント(抜粋)
溝渕 千賀 氏(株式会社技研製作所 財務課 課長 )
弊社は、建設機械の製造・販売を展開する業種柄で、男性職員の割合が80%以上という所謂男性社会であり、男性が育休を取得するという概念が相当薄い企業でした。2016年4月に女性活躍推進法が施行されたのがきっかけで、社内の各部門から女性主体で選抜され「ポジティブ・アクションプロジェクト」を発足しました。
男性社会の中に、女性特有の自由自在な活動力・柔軟な思考力を生かした職務遂行能力の有効発揮により、働きやすい職場作りや社員満足度の向上、会社のブランド力向上を推進する為に複数のチームに分かれマルチタスクな活動で社内の活性化に現在も取組んでいます。
2010年度から2018年度まで男性育休取得は、対象者150人中0人という状況であったが、全社員に「男性育休に関する知識・意識調査」を実施し、課題を明らかにした上で対策を行いました。
その中で、プロジェクトマネージャーの女性役員から対象者と上司への説明会等を通して「育児休業とは、男性が子育てをする為だけの休みではない。代わりがきかない奥様の体をどれだけ休ませてあげられるか。その為の休みだ。」とテレビで紹介されていたコメントを紹介し、「奥様の苦労を経験してあげられるのは一番近くにいる貴方方しかいない。」と育休の重要性を周知し、意識改革にも力を注いでいきました。
2019年度の男性の育休平均取得日数110.2日と、応募企業の中でも群を抜く結果を残し、支援策により男性職員が8割を占める製造業においても結果を出せることを実証できました。
現在も最短で育休取得率100%を達成するという目標に向けてさらなる意識改革、環境整備を推進していく所存です。
この度はグランプリを頂戴し大変光栄に思います。
- ・社内プロジェクトチームが男性育児休業取得を推進し、男性も育休を取得しやすい雰囲気づくりとサポートを行っている。
- ・全社員対象に「男性育休に関する知識・意識調査」を実施し、率直な不安や要望を収集し、課題を分析明確化した。
- ・給付金シミュレーションツールを構築し、 育休給付金制度と給与明細から簡単な操作で、収入の変化が把握できる様にし、不安の解消を行った。
- ・イントラネットに育児休業専用ページを開設し利用しやすくした。取得の対象社員とその上司への育休説明会を開催。
- ・当社グループの全役職員に向けて、「技研グループは健康経営と男性育休取得を推進する企業」とグループ全体を巻き込み男性育休取得推進を正式に宣言。
- ・男性育休取得促進の為の施策の実効性が高く、採用活動にも活かしている。両立支援が夫婦による育児を前提とした設計になっており、共感度が高い。
- ・社員のニーズを踏まえた育休取得促進、両立支援に向けた取組が具体的に実施されている。また、業務効率化に向け各職場での業務改善活動などの取組を進めるとともに、社内広報をうまく活用して全社的な雰囲気の醸成と取組を実施している。
- ・不測の事態にも対応できる仕事の進め方として、チームメンバーのスキルの把握、属人化排除に取り組んでいる。
- ・コロナ禍を、5つのレス(ペーパーレス、通勤レス、出張レス、オフィスレス、社宅(転勤)レス)への挑戦へのきっかけにしている。
○評価ポイント
伊藤 みどり 氏(積水ハウス株式会社 ダイバーシティ推進部 執行役員)
弊社は、2050年に向けて「我が家を世界一幸せな場所にする」というグローバルビジョンを掲げ、その実現の為にはまず従業員とその家族に幸せになってもらいたいという願いを込め、経営者の強いリーダーシップのもと、全社一丸となって推進しています。
1番重要で木になる為行ってるのは意識改革であり、運用開始の2018年10月より、社長自ら「人生100年時代の幸せ、無形資産を構築して欲しい。」という男性の育児休業に対する想い。
そして有識者の方からの男性育児参画の重要性、社内から取得の事例を共有する「イクメンフォーラム」を開催し、対象者と上司が全員参加する1,900名を集めたフォーラムになった。
また各研修・委員会などを用いて、新入社員から役員までこの意義の浸透を図った。そうすることで従来のマインド「有給休暇もなかなか取得が難しい。」「家の事は妻に任せておけばいい。」というマインドから、
「父親が与える影響・役割は重要だ。妻が仕事を持つ持たないに関わらず、家事育児をシェアすることは家族の将来にとって非常に好影響をもたらす。」
「職場ではイノベーションを促進し、今後のリスクヘッジ、世の環境の変化、会合などを含めて備えになる」という新しいマインドに切り替えた。
イクメン休業がもたらす価値として、従業員の幸せ家族の幸せからスタートし、イクメン休業取得者のアンケートからは98%が総合的に満足と答えており、その為には仕事の見直しや棚卸しという事で、92.1%のイクメンが協力的な環境であったという事で、助け合いの風土が醸成されてきているのではないかと思います。
また人材の採用定着など学生の評価関心も高いと手応えを感じ、お客様からはこの経験から共感・提案力の幅が広がったという事で様々な声をいただきました。
この様に男性育児休業が当たり前の会社になりましたので、男性休業が当たり前の社会作りの一助として貢献していきたいと考えており、これが女性活躍少子化介護など様々な社会課題の解決にも繋がると期待をしています。
この度はグランプリを受賞させていただきまして、本当に大変光栄に思っておりますし、また気の引き締まる思いで今後も推進していきます。
- ・3歳未満の子どもを持つ従業員は、育児休業1カ月以上を完全取得。最初の1カ月は有給で、最大で4回の分割の取得が可能。昇給、昇格、賞与や退職金算定に影響しないと決めた同社独自の「イクメン休業制度」
- ・育休の取得時期や家事、育児の役割分担(現状・育休中・職場復帰後)等について家族でコミュニケーションを図りやすくするツールとして独自に制作した「家族ミーティングシート」を活用。
- ・取得申請ツールを用いて、育休中は業務を誰にどのように引き継ぐのか具体的に計画を立て上長と面談をし、極めつけにパートナーのコメントと署名をもらい、しっかりと家族で合意をした内容になっているという事を担保している。
- ・継続的な啓発という事が重要ということで、社内イントラでイクメンサイトを開設。男性育休の情報、イクメンの紹介、トライ&エラーを纏めた「イクメンガイドブック」を公開。社内誌でも「イクメン奮闘記」を掲載。
- ・「仕事と育児の両立いきいきフォーラム」を毎年開催し、育児者の自律と上司の意識改革を行うとともに、仕事と育児を両立する従業員の長期的なキャリア形成をしっかりと話し合う場を設けている。
- ・「ESG表彰」という、業績表彰と並ぶ社長表彰があり表彰基準の一つにイクメン休業の取得率を入れ、会社の方向性を明確に示している。
- ・9月19日を育休を考える日と昨年制定。日本全体のイクメンの実態を調査する「イクメン白書」作成。
○評価ポイント
総評
高村 静 氏(中央大学大学院戦略経営研究科 准教授)
- 羽生氏:
- 男性育休取得率を今後上げる為に、次の推進や策など掛ける思いをお伺いできますか?
- 高村氏:
-
男性育休の認知も進み、今は上昇基調にあるとみております。
コロナ渦下もあり働き方を見直す機会になり、一人一人のキャリアというところ見ながら、変動もあり会社の出社や在宅が混在し読めなく不安である状況の中、会社や上司が『応援している』、『信頼しているよ、あなたのキャリアを尊重しているよ』といったマネージメントのところが進むのであれば、キャリアの中の一つに育休っていうものもあるんだっていう風に理解が広がっていくと思う。
育休中は家族を作っていく、育児の為に長く働く為にこの時間については育児ということについて関わりを持ちたいという事を尊重していくことが全体的に広がるといいと感じています。
またコミュニケーションをすごく蜜にとり理解しあうことも非常に大事で、皆それぞれ違うので仕事のことも一人一人の家族の事も、生活も含めた相互の理解が進んでいくという事が凄く大切だと思います。
国保 祥子 氏(静岡県立大学経営情報学部 准教授、株式会社ワークシフト研究所 所長、育休プチMBA代表)
- 羽生氏:
- ワーク・ライフ・バランス、ダイバーシティについて研究されている中で、こういった動きというのはいかがでしょうか?
- 国保氏:
-
ダイバーシティはその組織の多様性がどうして課題になるかというと組織の中にいろんなサブグループができてしまって、一体感が損なわれていくというところです。それがそれぞれバラバラになっていって、纏め難くなるという課題がダイバーシティの大きな問題として指摘されています。
ただそれに対しての解決策の一つとして情緒的コミットメントという、気持ちや感情的な繋がり情緒的な繋がりを強化することによって、バラバラになりかけるものを繋ぎ止める機能があるということが研究の中で言われています。
社員の学びや成長をケアし強化してくれる企業は、テレワークなどでバラバラになった社員を、情緒的なコミットメントで繋ぎ止める機能があったかと思います。
そういう意味では皆で会社に同じ場所にいて、長い時間を過ごす 様な同質性をベースにしたマネジメントの限界点がそろそろきているのではないかと感じます。
コロナ渦下では、今回社員は皆企業がどれだけ自分たちのことを考えてくれてるかっていうところを結構見て重視したと思う。そういう意味では、学びや成長にケアをしてくれる企業というのは社員から見たら再びこの情緒的なコミットメントを持つに相応しい会社だと思ったと思います。
羽生 祥子 氏(日経xwoman(クロスウーマン)総編集長、日経ARIA編集長、日経DUAL創刊編集長)
- 羽生氏:
-
現在男性育休の課題の中に、旦那が「育休を取りたい。」と言っても、妻ブロックといって、妻が「お給料が減る、収入が無くなるから育休は取らないでくれ。」という風に折角の旦那の育組を阻止する様な動きがあるということなんですが、それは全くの誤解でちゃんと給付金は出ます。会社の制度などで、給付金シミレーションがなくわからないという方はイクメンプロジェクトのサイトをご覧なって下さい。
育休について詳しく説明があり、給付金についても効果的な取り方や会社の給料が出ない場合、保険から3分の2 67%でるとか非常に詳しく話が掲載されています。
私もコロナ渦下の中で、いろいろな企業の対応をWEB取材などをしてきて、上手く子育て中の社員を含めた全従業員をグリップしているなって企業は幾つか共通項目があり、そのキーワードの1つが「社員の学び、成長」そういったキーワードを意識的に掲げて、例えばe ラーニングでダウンロードしながら何かを学べるとか、デジタルスキルをお家に居る間に全社員が学べる様な制度を作るとか、そういったところの単なる今季の売上目標達成やミッションを達成など数字のもの以外のところで、個人の成長や学びっていうところをグリップにしている企業が目立つなと思いました。
今日は男性の育休取得促進についてから始まって、このコロナ禍下において企業はどういった形で組織運営をしていくのか、新しい力を生み出していくのかというところまで踏み込んでお話を聞いていきました。
私が一番感じたのは、男性の育児休業取得者・子育て中のご家族の為だけではなく、全ての社員に対して細やかな配慮やコミュニケーションを取ることが、企業の多面的な取組の推進力になるということを実感しました。
イクメンプロジェクトチャンネルも併せてご覧ください!
「イクメンスピーチ甲子園2020」決勝大会を開催しました!
今年のイクメンスピーチ甲子園の決勝大会を、THE BBQ BEACH in TOYOSU(東京都江東区)にて開催いたしました。昨年に引き続き「イクメンオブザイヤー2020」と同時開催しております。
「育児と仕事の両立」など、育児に関するご自身のエピソードを募集し、書類審査を経て決勝進出した3名がステージ上でスピーチ。伊藤翼さんが優勝し、新たな「イクメンの星」が生まれました。
決勝進出者の熱のこもったスピーチを審査員をはじめ会場の皆様が聞きいっていました。
当日の模様はイクメンプロジェクト公式チャンネルで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=_t17vdOZdhE&t=1320s
開催概要
■日時 2020年10月18日(日)
13:00 〜 13:30 イクメンスピーチ甲子園2020 決勝大会
(14:00~15:00 イクメンオブザイヤー2020)
■場所 THE BBQ BEACH in TOYOSU(東京都江東区豊洲6丁目9番3の一部)
■プレゼンター・審査員
おち まさと 氏(イクメンプロジェクト推進委員)
福井 聡さん(第9回イクメンの星)
橘 信吾さん(第13回イクメンの星)
上笹 遼さん(第21回イクメンの星)
イクメンスピーチ甲子園2020 決勝スピーチ
- 【優勝者】
- 伊藤 翼氏
- 出場者
- 押川 剛⼀郎氏
- 出場者
- 河野 義広氏
【優勝者】 伊藤 翼氏
【エピソードタイトル】
きっかけは寝かしつけ
【エピソード概要】
第二子出産後に6ヶ月間の育休をとりました。少しでも暮らしに馴染むようにエプロンをつけて取組み、育休で少しでも成長した姿を見せようと勉強もしました。
大変だったのは長時間かかる娘の寝かしつけでした。 乳幼児の睡眠について学び、それまでは1〜2時間かかっていたものが10分でできるようになり、自分の睡眠不足や妻も自分の時間も確保でき、家族全体が幸せになりました。
コロナで長男の幼稚園が自粛の中、ワンオペ育児に困って誰かに助けて欲しいと本気で思ったりもしました。その中で、娘が自分で寝られるようになり上の子と遊ぶ時間を確保できたことが嬉しかったです。
復職後も18時頃までに帰宅するようにしました。妻と夕飯・お風呂・寝かしつけを分担し、長男にも役割を与え、文字にして張り出し、見える化することで自主性を育み、楽しみながら取り組めました。
また、在宅勤務も活用し、生産性を向上させる働き方を実践することで仕事と家庭のワーク・ライフ・バランスを現在も継続しています。
周囲育児に関する相談を受けるようになり、自分だけで終わるのではなく次に繋げていく意識も持つことができました。
職場に戻ってからは「製造業界からイクメン文化を牽引するんだ!」をキーワードに社員向けのレポートを公開したり、講座を開いたりして、育児の楽しさを伝える活動をしています。
毎日が楽しくなり家族の笑顔も、人との繋がりも増え、イクメンの風土を作っていこうと決意でき、育児休業の間、素晴らしい時間を過ごすことができました。
【決勝進出者1】 押川 剛⼀郎氏
【エピソードタイトル】
育休での学びを社会に還元
【エピソード概要】
私は第3子が生まれた時、子どもが全員未就学児だったこともあり、産後の妻の負担や家族としっかりと向き合う時間が欲しく、半年間の育児休業を取得しました。
長期間の育休を取得することは社内では珍しかったので多少の迷いはありましたが、職場の理解もあり決断することができました。
育休中、子どもの日々の成長を間近で見て関われたことはかけがえのない貴重な経験でした。同時に育児の大変さを実感し妻へ感謝の気持ちが芽生えました。
子どもたち全員が号泣してしまい埒が明かなくなったこと、1人が体調を崩すと皆体調を崩してしまったことなど、私も初めてのことが多く泣きたくなることもありました。
この経験を経て、育児はすべてをコントロールしようとするのではなく、子どもの気持ちに寄り添い、自分自身の心に余裕を持つことが必要だということを学びました。それは復職したあと職場でマネジメントをする上でも役立っています。
育休を経て育児・家事に積極的に取り組み、妻と話し合う機会も増えたことで、以前よりも育児と仕事のバランスが取れてきていると感じています。子どもの行事に参加するため、計画的に仕事に取り組むようにもなりました。
また、子どもの「初めての経験」を間近でみてチャレンジ精神が湧いてきて、会社のプロジェクトへの参加、資格の取得など新たなことに取り組む毎日を過ごしています。
男性の育児が当たり前になり、「イクメン」という言葉がなくなることをめざし、今後は男性の育児への積極的参加を後押ししていきたいと考えています。
【決勝進出者2】 河野 義広氏
【エピソードタイトル】
目にするものすべてが研究対象
【エピソード概要】
仕事のスケジュール上、長期の休暇を取得することは出来ませんでしたが、育児に専念する期間として2週間の育児目的休暇を取得しました。
子育ては発見の連続でした。わたしは育児を通じて子どもや親の2つの側面があると感じました。
「赤ちゃんは生まれながら科学者」だと言う言葉があり、育児を通じて3つの発見がありました。
①育児休業期間、育児を覚えながら子どもに愛着をもって接することができました。
②子どもの近くで言葉で話しかけることで、反応を見ることができました。
③仕事との相乗効果が生まれ、以前より考える時間が増え、効率の良い仕事ができるようになりました。
身近な若者に育児の様子を見せる機会があったときには、積極的に経験を伝えています。近い将来育児を経験する彼らの参考になればと思っています。
育児休業期間から今に至るまで、私は「見たものや感じたことを言葉にして語り掛けること」を心がけています。息子の誕生を機にベビーサイン講師の資格を取得した妻に教えてもらいながら、息子と一緒に勉強しています。新しい言葉やサインをどんどん覚え、成長する息子に追いつくのは大変ですが、成長を見守りながら育児を楽しみたいと思います。
表彰式
見事優勝に輝いた伊藤さんにはトロフィーを贈呈。また、決勝進出者3名全員にも会場からプレゼントがありました。
さらに、優勝した伊藤さんにはイクメンプロジェクトが行う様々な活動に「イクメンの星」として活動していただいております。今後当ホームページ内でご報告してまいります。
引き続きご期待ください。
イクメンプロジェクトチャンネルも併せてご覧ください!
不測の事態にも対応できる仕事の進め方として、チームメンバーのスキルの把握・属人化排除に取り組んでいる。