プロジェクトを知る イクメンプロジェクトの活動紹介

イクメンプロジェクトの活動レポートをご紹介いたします。

「イクメン推進シンポジウム2020」を開催しました!

2020年11月20日(金)「イクメン推進シンポジウム2020」を開催しました。
今回はじめてオンライン配信を行い、2000名を超える皆様にご視聴いただきました。

当日は、「イクメン企業アワード2020」「イクボスアワード2020」の受賞企業・受賞者の方の表彰、取組事例の紹介に加え、男性の仕事と育児の両立や育児休業取得促進に関する理解を深めるためのパネルディスカッションを行いました。

当日の模様のアーカイブ動画は下記URLよりご覧いただけます。
https://www.youtube.com/watch?v=0NrgyVUhJ2A&t=4865s

 厚生労働省 雇用環境・均等局 坂口卓局長(抜粋)

ご受賞された受賞企業、管理職の皆様、誠におめでとうございます。田村厚生労働大臣よりご挨拶を預かりましたので、代読させていただきます。

受賞企業、管理職の皆様方に心からお祝いを申し上げると共に、日頃から仕事と育児を両立しやすい職場環境づくりにご尽力いただいておりますことに深く敬意を申し上げます。

男性が積極的に育児を行うことは、子育て環境の充実や女性の継続就業の観点からも非常に重要です。しかしながら男性が育児に関わる時間は国際的に見ても日本は1時間あまりと低い水準です。男性の育児休業取得率は近年上昇傾向にあるものの、未だ7.48%にとどまっています。

この状況を改善するため、イクメンプロジェクトや男性の育児休業取得に取り組む事業主への支援、子育てをしやすい企業の認定制度である「くるみん認定・プラチナくるみん認定」の普及などに取り組んでおります。また、労働政策審議会において男性が育児休業を取得しやすい職場環境の実現についてご議論をいただいております。

受賞企業、受賞者の皆様のこれまでの取り組みはこうした動きを先取りするものであり、他の模範となる素晴らしいものであります。受賞された皆様には引き続きそれぞれの取り組みを推進し、リーディングカンパニーとして男性の育児休業取得を牽引いただくよう、お願いします。

シンポジウムにご参加いただきました皆様におかれましても、受賞企業・受賞者の取組を参考に、仕事と育児を両立できる職場環境づくりを進めていただきますようお願いします。

総評写真

イクメン企業アワード2020 表彰式

両立支援部門

「イクメン企業アワード両立支援部門」は、男性の仕事と育児の両立を積極的に促進し、業務改善を図る企業を表彰するものです。

表彰写真
イクメン企業アワード
2020両立支援部門 受賞企業(五十音順)
グランプリ 株式会社技研製作所(高知県)
積水ハウス株式会社(大阪府)
奨励賞 双日株式会社(東京都)
理解促進賞 江崎グリコ株式会社(大阪府)
特別賞 (コロナ対応)日本航空株式会社(東京都)
(地方特別)株式会社プロトソリューション(沖縄県)
ikumenaward
○受賞各社の評価ポイント
◎グランプリ
株式会社技研製作所
製造現場での社員のニーズを踏まえた男性育休の推進
  • ・男性育休取得促進のための施策の実効性が高く、採用活動にも活かしている。両立支援が夫婦による育児を前提とした設計になっており、共感度が高い。
  • ・社員のニーズを踏まえた育休取得促進、両立支援に向けた取組が具体的に実施されている。また、業務効率化に向け、各職場での業務改善活動などの取組を進めるとともに、社内広報をうまく活用して全社的な雰囲気の醸成と取組を実施している。
    不測の事態にも対応できる仕事の進め方として、チームメンバーのスキルの把握・属人化排除に取り組んでいる。
  • ・コロナ禍を、5つのレス(ペーパーレス・通勤レス・出張レス・オフィスレス・社宅(転勤)レス)への挑戦へのきっかけにしている。
オンライン参加
積水ハウス株式会社
男性目線での“育休が取得しやすい工夫”、「イクメン休業」の確立
  • ・会社独自の「イクメン休業」の取得率100%を目指すとともに、自社の戦略に合わせ育休取得計画書作成を重視
  • ・トップ自らが旗振り役となり、「イクメンフォーラム」をはじめとする社内イベントやガイドブック作成など、育児と仕事の両立について全社を挙げてメッセージを発信、支援し職場環境を整えている。
  • ・対外的に「育休を考える日」「イクメン白書」作成に取り組み、啓発の活動に尽力している。
  • ・男性従業員の1か月以上の育休取得率が100%。最初の取得日から1か月間を有給扱いとし、昇給昇格・賞与・退職金の算定に影響しないなどキャリアへの配慮が伴っている。
◎奨励賞
双日株式会社
社員の仕事と育児の両立環境を重視した取組、コロナ禍での特別休暇創設や段階的復職の特別措置などの迅速な対応
  • ・育休取得率23%から2年の間に育休取得率が50%と大幅に増加。
  • ・セミナーやファミリーサポート休暇、フレックスやシッターなど、育児支援から働き方支援とキャリアを止めないための多方面からの取り組んでいる。
  • ・単なるテレワーク率の向上のみならず、在宅と出社の組み合わせでの生産性を追求している。
  • ・休園・休校で休まざるを得ない社員に対して、有給の特別休暇を創設。時短勤務よりも更に短時間のテレワークができる段階的復職の特別措置を設置している。
◎理解促進賞
江崎グリコ株式会社
子ども向け菓子が発祥の食品メーカーならではのアイディア・技術で、社会に「イクメン」の存在を発信
  • ・子育てアプリ提供、パパあそび動画、官公庁職員とのパパ座談会、コロナ禍でのオンライン「ミルク調乳指導」など様々な取組を行っており、菓子の食品メーカーならではのアイディアと技術で、社会に「イクメン」の存在を発信、貢献している。
  • ・テレワークの導入とノウハウの確立により、2020年8月時点でも出社率20%の上限を設定して積極的に実施することで、コロナ禍での育児と仕事の両立を実現している。
◎特別賞(コロナ対応)
日本航空株式会社
どんな状況でも社員が活躍できる環境を整備
  • ・緊急事態宣言下でリモートワーク実施率をスピーディーに上昇させた後もルールを定め、その後の働き方改革につなげている。
  • ・ワークスタイル変革等の取組を通じて、時間の制約にかかわらず社員が活躍できる環境を整備している。
◎特別賞(地方特別)
株式会社プロトソリューション
社員の成長とニーズを理解し、自社の技術を生かした独自の取組
  • ・テレワーク導入が難しいといわれるコールセンター業務を在宅で行えるようにする環境整備を行っている。
  • ・社員の能力開発・キャリア形成と両立させる残業のない働き方を目指し社員の定着に取り組んでいる。
  • ・感謝を伝えるアプリの開発など、自社の技術を生かした独自の取組を進め働きやすい・働きがいのある職場環境づくりを行っている。
オンライン参加
受賞企業6社の取組事例集はこちら

イクボスアワード2020 表彰式

部下の仕事と育児の両立を支援する管理職=「イクボス」を企業からの推薦によって募集し、表彰するもので、今回は48人の応募の中から、グランプリ2人、奨励賞1人を選定しました。

表彰写真
イクボスアワード2020 受賞者(五十音順)
グランプリ 社会福祉法人スプリング
大久保 友紀子
株式会社スープストックトーキョー
西谷 達彦さん
奨励賞 株式会社ビースタイルホールディングス
松浦 修治さん
ikuboss
○受賞者の評価ポイント
◎グランプリ
大久保 友紀子氏(社会福祉法人スプリング)
人手不足の介護業界において、ICT等様々な面での業務効率化
  • ・人材不足が課題となっている介護業界において、ICTによる業務効率化や、身体的負荷を軽減するノーリフティングケアを主導している。
  • ・コロナ禍においても部下の行動を制限することなく、感染予防対策をしっかり行った上で日常生活を継続できるよう支援している。
オンライン参加
西谷 達彦氏(株式会社スープストックトーキョー)
自身の育児経験をワークにつなげるシナジーを体現
  • ・「全員で情報を共有すること」「ルーティン業務のマニュアル化」といった働き方改革に必要な事柄をチーム内に徹底している。
  • ・自身の体験をもとに「子どもに安心して食べさせることができる離乳食」の開発に携わるなど、育児の経験をビジネスつなげるシナジーを体現している。
◎奨励賞
松浦 修治氏(株式会社ビースタイルホールディングス)
子育て社員が多い環境でパフォーマンスが出せるオリジナル有効策
  • ・社内に子育て中の社員が多く、育児休業取得予定者も複数いるなかで、タスクを可視化、相互サポート、業務の優先順位付けなどを率先して行い、チームのパフォーマンスを上げている。
  • ・コロナ禍の在宅勤務トラブルにも対応し、スタッフ間のサポート体制を組んでいる。
受賞したイクボス3名へのインタビュー集はこちら


■駒崎 弘樹氏 総評(個別企業向け発言以外の抜粋)

受賞の企業の皆様ご受賞おめでとうございます。

2014年から始まり今年で8年目になり、今年も全国から多くの企業の皆様に応募いただきました。
今年は新型コロナウイルス感染症による企業活動への影響もあって大変な中、男性の育児休業取得、育児と仕事の両立を促していくことは例年に比べより難しかったのではないかと思います。受賞された企業・イクボスの皆様は、その厳しい環境の中非常によくトライされていると思う。

こうした素晴らしい企業やイクボスが増えていくことによって企業内変革が進んでいくと感じている。
皆様方が模範となってぜひ企業・社会を変えていただきたい。
この日本の働き方を変え、子どもたちと笑って過ごせる、男女関係なく子育てに関わり続けられるそんな社会を共に作っていっていただきたい。

総評写真

当日のプログラム等はこちら
https://ikumen-project.mhlw.go.jp/symposium/2020/

パネルディスカッションの詳細はこちら

イクメンプロジェクトチャンネルも併せてご覧ください!

パネルディスカッションを「イクメン推進シンポジウム」で実施

「イクメン推進シンポジウム」の後半では、「新型コロナウイルスは働き方にどのような影響を与えたか」をテーマにパネルディスカッションを実施しました。

羽生 祥子 氏(日経xwoman(クロスウーマン)総編集長、日経ARIA編集長、日経DUAL創刊編集長)の進行のもと、グランプリ受賞企業2社から取組紹介、そして国保 祥子 氏(静岡県立大学経営情報学部 准教授、株式会社ワークシフト研究所 所長、育休プチMBA代表)、高村 静 氏(中央大学大学院戦略経営研究科 准教授)がイクメン推進の現状や今後の施策、世の中の緊急事態下での企業の内情を議論し盛大に開催されました。

概要

■テーマ
「新型コロナウイルスは働き方にどのような影響を与えたか」

■コーディネーター
羽生 祥子 氏(日経xwoman(クロスウーマン)総編集長、日経ARIA編集長、日経DUAL創刊編集長)

■パネリスト
溝渕 千賀 氏(株式会社技研製作所 財務課 課長 )
伊藤 みどり 氏(積水ハウス株式会社 ダイバーシティ推進部 執行役員)
高村 静 氏(中央大学大学院戦略経営研究科 准教授)
国保 祥子 氏(静岡県立大学経営情報学部 准教授、株式会社ワークシフト研究所 所長、育休プチMBA代表)

パネルディスカッション

登壇者コメント(抜粋)

溝渕 千賀 氏(株式会社技研製作所 財務課 課長 )
溝渕 千賀 氏

弊社は、建設機械の製造・販売を展開する業種柄で、男性職員の割合が80%以上という所謂男性社会であり、男性が育休を取得するという概念が相当薄い企業でした。2016年4月に女性活躍推進法が施行されたのがきっかけで、社内の各部門から女性主体で選抜され「ポジティブ・アクションプロジェクト」を発足しました。
男性社会の中に、女性特有の自由自在な活動力・柔軟な思考力を生かした職務遂行能力の有効発揮により、働きやすい職場作りや社員満足度の向上、会社のブランド力向上を推進する為に複数のチームに分かれマルチタスクな活動で社内の活性化に現在も取組んでいます。

2010年度から2018年度まで男性育休取得は、対象者150人中0人という状況であったが、全社員に「男性育休に関する知識・意識調査」を実施し、課題を明らかにした上で対策を行いました。
その中で、プロジェクトマネージャーの女性役員から対象者と上司への説明会等を通して「育児休業とは、男性が子育てをする為だけの休みではない。代わりがきかない奥様の体をどれだけ休ませてあげられるか。その為の休みだ。」とテレビで紹介されていたコメントを紹介し、「奥様の苦労を経験してあげられるのは一番近くにいる貴方方しかいない。」と育休の重要性を周知し、意識改革にも力を注いでいきました。
2019年度の男性の育休平均取得日数110.2日と、応募企業の中でも群を抜く結果を残し、支援策により男性職員が8割を占める製造業においても結果を出せることを実証できました。
現在も最短で育休取得率100%を達成するという目標に向けてさらなる意識改革、環境整備を推進していく所存です。
この度はグランプリを頂戴し大変光栄に思います。

【男性育休の取得控除の具体的な取り組みについて】
  • ・社内プロジェクトチームが男性育児休業取得を推進し、男性も育休を取得しやすい雰囲気づくりとサポートを行っている。
  • ・全社員対象に「男性育休に関する知識・意識調査」を実施し、率直な不安や要望を収集し、課題を分析明確化した。
  • ・給付金シミュレーションツールを構築し、 育休給付金制度と給与明細から簡単な操作で、収入の変化が把握できる様にし、不安の解消を行った。
  • ・イントラネットに育児休業専用ページを開設し利用しやすくした。取得の対象社員とその上司への育休説明会を開催。
  • ・当社グループの全役職員に向けて、「技研グループは健康経営と男性育休取得を推進する企業」とグループ全体を巻き込み男性育休取得推進を正式に宣言。
  • ・男性育休取得促進の為の施策の実効性が高く、採用活動にも活かしている。両立支援が夫婦による育児を前提とした設計になっており、共感度が高い。
  • ・社員のニーズを踏まえた育休取得促進、両立支援に向けた取組が具体的に実施されている。また、業務効率化に向け各職場での業務改善活動などの取組を進めるとともに、社内広報をうまく活用して全社的な雰囲気の醸成と取組を実施している。
  • ・不測の事態にも対応できる仕事の進め方として、チームメンバーのスキルの把握、属人化排除に取り組んでいる。
  • ・コロナ禍を、5つのレス(ペーパーレス、通勤レス、出張レス、オフィスレス、社宅(転勤)レス)への挑戦へのきっかけにしている。
○評価ポイント
高村氏:
男性社会の業界・職業で男性育休が0人のところから、ただ取得するっていう事だけを進めているのではなく、一人一人が取得するのにあたって、何が阻害なのか、あるいは何を不安に思っているのかっていうところを丁寧に課題を抽出されて、マネジメントとして、また本人や上司の方の理解を進めるという事を非常にきめ細かく対応した上でご本人が考えて納得した上で取得をしているというところを評価させていただきました。
ご本人が考えて取得しているので、ここは良かったという事にもなり、次の課題っていうところを解決する事にも繋がって、イクメンが取得というところが繋がっていき、輪として繋がっていく様な取組を進めていると思います。
取得日数も長く、キャリア形成という事にも非常に配慮があり、男性のみならず女性のキャリアも考えられ、育休取得も織り込んでその後どういったキャリアを作っていくのかっていう事、育休取得を不利にしないという事はもちろん、その職場にいる従業員の方のスキルを把握した上で恐らく配置やその後の育成ということにも、目を配っていると感じました。
会社から見れば育成であるが、本人から見れば成長満足となり育児休業を取るだけではなく、そこを通じて本人が仕事と両立する事によって充実を感じたりとか成長を感じたりで、それを更に会社が応援する体制があり、スキルが上手く形成出来ているのではないかというところについて思います。
国保氏:
取組の中で一番印象的だったのは、育休平均取得日数が110日という非常に長い期間であるというところはとても注目に値すると思っております。
これ程長い期間を男性が職場を不在にするという事を前提とすると、不在の間だけちょっと周りの人が頑張ってなんとなく誤魔化し過ごしてしまおうという様なやり方では、この期間は乗り越えられませんので取得にあたり、例えば業務の属人化をいかに廃止するかや見える化をする、あるいは他の子を育成する等の業務の効率化とか、可視化というものが必須であっただろうと推測されます。男性の育休者が出るという事を踏まえて、取得者以外の業務や職場の改善にも繋げていて素晴らしいと思う。
その人だけが何かの恩恵を受けるという事ではなく、職場全体もメリットになる活動に繋げているというところが非常に評価できます。
給付金シュミレーションの取組で、やはりお金の事というのは多くの場合男性が家系のメインを担っているケースがまだまだ多いと思うので、特に不安があるのできちんと可視化して安心する事により、きっとご夫婦で安心して育休というものを迎えられたのではないかと思いますので、夫婦のより良い姿に近づく為の仕組みを企業様の方から提示しているという事にも繋がっていると感じています。
羽生氏:
グループ会社やグループ全体で役員を巻き込んで推進していくという動きが非常に効果を期待した戦略的な取組だなと思いました。今回非常に高得点になったのは、給付金のシミュレーションというのがかなり評価された。
毎週金曜日をノー残業デーとし、定時後役員・管理職によるパトロールを実施、徹底というところが面白い取組であり、役員が来られるので効果も絶大なのではと思いました。
ポジティブアクションプロジェクトの一番の肝が社員の幸福・満足度の向上を具現化するということだったのですが、プロジェクトを推進していく最中に今年コロナの感染拡大によって、どんな働き方のシフトや組織の変化があったのか教えていただけますか?
A:
当社は全社3月より徹底的にテレワークを導入しました。テレワーク開始当初は、コミュニケーションが取りにくい、他の社員の様子が見えないというマイナス要素もありましたが、勤務体型や業務の進め方を見直せば生産性の向上や合理化を図る余地がたくさんある事に気付き、テレワークを手段として全社を上げてニューノーマルの構築に取組んでいる。
しかし、テレワークを利用している子育て中の社員からは「朝夕の通勤時間がなくなったおかげで、その時間を家事や育児に充てることができ、生活の質が向上した」と聞き、コロナ禍はワーク・ライフ・バランスを見直すきっかけにもなったと感じています。
羽生氏:
男性社員が多い中で働き方のシフトや、特に育休を取得する推進で苦労された点や工夫された点はございますか?
A:
チームになって活動しており、お子様が生まれた報告を受けるとチームメンバーから育児休業の取得を促していくという活動を行っていきました。そもそも育休を取得する文化が無かった為、個々に活動を進めてきました。
羽生氏:
チームで全員で育休の取得と働き方の推進というところを変革を進めてきたというところですね。
今後の抱負を教えていただけますか?
A:
弊社は企業活動の一環として、男性育休を経営者と一体になって推進すると社内で宣言しましたので、今回の社内発表が経営者も宣言として取得推進を後押しし、利用度も上がると想定されますので、引き続き男性社員が抱える様々なハードルを払拭する為に、雰囲気作りと対象者の後方支援に注力していきます。
また男性育休を始めとして、各々のライフイベントか訪れた時にどちらか一方を選択するという風ではなく、両立順応しながら働くことが出来る様なワーク・ライフ・バランスの推進に努め、社員の家族も含めた幸福と向き合える企業を目指します。
伊藤 みどり 氏(積水ハウス株式会社 ダイバーシティ推進部 執行役員)
伊藤 みどり 氏

弊社は、2050年に向けて「我が家を世界一幸せな場所にする」というグローバルビジョンを掲げ、その実現の為にはまず従業員とその家族に幸せになってもらいたいという願いを込め、経営者の強いリーダーシップのもと、全社一丸となって推進しています。

1番重要で木になる為行ってるのは意識改革であり、運用開始の2018年10月より、社長自ら「人生100年時代の幸せ、無形資産を構築して欲しい。」という男性の育児休業に対する想い。
そして有識者の方からの男性育児参画の重要性、社内から取得の事例を共有する「イクメンフォーラム」を開催し、対象者と上司が全員参加する1,900名を集めたフォーラムになった。

また各研修・委員会などを用いて、新入社員から役員までこの意義の浸透を図った。そうすることで従来のマインド「有給休暇もなかなか取得が難しい。」「家の事は妻に任せておけばいい。」というマインドから、
「父親が与える影響・役割は重要だ。妻が仕事を持つ持たないに関わらず、家事育児をシェアすることは家族の将来にとって非常に好影響をもたらす。」
「職場ではイノベーションを促進し、今後のリスクヘッジ、世の環境の変化、会合などを含めて備えになる」という新しいマインドに切り替えた。

イクメン休業がもたらす価値として、従業員の幸せ家族の幸せからスタートし、イクメン休業取得者のアンケートからは98%が総合的に満足と答えており、その為には仕事の見直しや棚卸しという事で、92.1%のイクメンが協力的な環境であったという事で、助け合いの風土が醸成されてきているのではないかと思います。
また人材の採用定着など学生の評価関心も高いと手応えを感じ、お客様からはこの経験から共感・提案力の幅が広がったという事で様々な声をいただきました。
この様に男性育児休業が当たり前の会社になりましたので、男性休業が当たり前の社会作りの一助として貢献していきたいと考えており、これが女性活躍少子化介護など様々な社会課題の解決にも繋がると期待をしています。

この度はグランプリを受賞させていただきまして、本当に大変光栄に思っておりますし、また気の引き締まる思いで今後も推進していきます。

【男性育休の取得控除の具体的な取り組みについて】
  • ・3歳未満の子どもを持つ従業員は、育児休業1カ月以上を完全取得。最初の1カ月は有給で、最大で4回の分割の取得が可能。昇給、昇格、賞与や退職金算定に影響しないと決めた同社独自の「イクメン休業制度」
  • ・育休の取得時期や家事、育児の役割分担(現状・育休中・職場復帰後)等について家族でコミュニケーションを図りやすくするツールとして独自に制作した「家族ミーティングシート」を活用。
  • ・取得申請ツールを用いて、育休中は業務を誰にどのように引き継ぐのか具体的に計画を立て上長と面談をし、極めつけにパートナーのコメントと署名をもらい、しっかりと家族で合意をした内容になっているという事を担保している。
  • ・継続的な啓発という事が重要ということで、社内イントラでイクメンサイトを開設。男性育休の情報、イクメンの紹介、トライ&エラーを纏めた「イクメンガイドブック」を公開。社内誌でも「イクメン奮闘記」を掲載。
  • ・「仕事と育児の両立いきいきフォーラム」を毎年開催し、育児者の自律と上司の意識改革を行うとともに、仕事と育児を両立する従業員の長期的なキャリア形成をしっかりと話し合う場を設けている。
  • ・「ESG表彰」という、業績表彰と並ぶ社長表彰があり表彰基準の一つにイクメン休業の取得率を入れ、会社の方向性を明確に示している。
  • ・9月19日を育休を考える日と昨年制定。日本全体のイクメンの実態を調査する「イクメン白書」作成。
○評価ポイント
高村氏:
家族の繋がりが大事でその価値を実現するという事で、その一つが男性の育児休業を取得であって、育児休業をもちろん取得をするのは大事なのですが、取得した間に何をするかを家族できっちり考えられるというところです。
自分自身、家族のキャリアやこれからの生き方など、どういう風な家族を作っていくんだってことを話し合うきっかけにするとか、仕事のルーティンを変えるっていう意味で言えば、その職場でどの様に今後仕事を進めていくのかを見直すという事に繋げていく、そうして企業として提供するお客様に提供するその幸せっていう事をやっぱり自分自身の中に見つめていこうという風なメッセージかと受け止め、そういったところに非常に力強さを感じました。
育児休業の期間を3年の間ととても長めにとっているところや、取得していない方へ取得を促進する際、職場のルーティンを変えるってことで、まずは管理職だというところで非常に取組のポイントを明確されたところも、すべて会社としてどういう価値を提供するのかというストーリーの一貫性というものを非常に強く感じました。
そういった点を含めてリーダーシップ、実現されているという事で総合的に評価致しました。
国保氏:
男性の育休取得率100%をかつ1ヶ月という期間で達成しているというところでした。多くの企業で男性育休100%を目指しているという企業自体は決して少なくないと思いますが、多くの場合数日間のお休みを持って100%を達成するという100%達成があの目的になっているのかと見受けられる様な取組もある中で、きちんと1ヶ月間休むという本当に育休を取らせたいという本気度合いがそこから垣間見えます。
昇給、昇格、賞与などの人事評価に育休を取っているという事を反映しないなど、そういった男性が気にする様な評価のポイントにもきちんと手を打ってあるというところがやっぱり本気度を感じる本当に取らせたいのだなというところが染み染みと伝わってくる取組でした。
家族ミーティングシートも設けて、夫婦で話し合ってきちんと署名をさせるというところが本当に徹底ぶりが垣間見える。結構女性側、妻側の意見を聞いていると夫が育休をとってくれるのは嬉しいけれども、ただ休まれるとちょっと邪魔になったりとか、休んで良いけれどもあんまり役に立ってくれないみたいな声もかなり耳にはするので、これを用意することで男性も休むだけではなくきちんと夫婦でどういった家族のビジョンをどう描くかとか、その為に育休をどう過ごすかという様な、妻のニーズをヒアリングせざるおえない夫婦で擦り合わせざるおえない仕組みとして落とし込んでいるというところが、この幸せな家庭作りに繋がっている様に感じている。
羽生氏:
積水ハウスは、本当に独自の支援がたくさんあり、取組紹介で上げられなかった制度が他にもあり、政府のデパートと言っても過言ではないほど、毎年毎年新しい取組を上げられている。今回は社内の制度に留まらず、規模と社長のリーダーシップのもと、社会に貢献するということで大規模の白書を作成されて、これはメディアも真っ青と言いますか、本来我々のイクメンプロジェクトがやるべきなんじゃないかっていうくらいの大規模なアンケートをされたり、「育休を考える日」という特別な日を設けられたりと社会に還元するというところが非常に高評価に繋がったと思います。
やはり1ヶ月有給っていうのは実施は難しいと思いますが、そこはどうやって推進実行されたのですか?
A:
運用の前年にはやはり平均取得日数はわずか2日で、94%の取得率はあったがいきなり1ヶ月と、社長の希望は3ヶ月からスタートしたのですが、これは到底無理だろうということで1ヶ月でコミットしたということです。その為にはツールもそうですが、役員でも業務のことから難しいんじゃないかという意見もありましたけれど、幸せということを考えていくと取得をする方向で頑張ってみようということになりました。
羽生氏:
企業戦略としっかりと結びついているので後戻りはしない様な枠組みになっていると思います。
またコロナ渦の中でいい効果やエピソードもあったという風にお伺いしているんですか教えていただけますか?
A:
テレワークの推進がやり始めてはいたところから、今年一気に進んだというところはあるが、イクメン休業の対象者が次々と出てくる職場は日頃から誰かに自分の業務を引き継がないといけないということがあり、業務が誰が何を今しているのか情報共有されているという組織があり、自分しかその業務に携わっていないという者は手順書を作ったりと、次の人にも役に立つ様に少し汎用性を高めたりという事で準備をしていた為、急に出勤制限が出た時でも全体の業務が上手く回りました。
イクメン休業は緊急時にも非常に有用であったと上司からも聞き、日頃から計画的にやっている事は突発的な事への備えに十分なるなという実感を持っております。
羽生氏:
まさにこういった事態をきっかけに、常に会社の部門に居て着席していなければならないっていう事が無くなったわけで、これまでのお父さん・お母さんが主に「すみません、すみません」と謝りながら職場から逃げる様に、育児の為に帰って行ったわけなのですが、そこがフラットにどんな社員でも時間も場所も自由に選びやすくなったという事なので、そういった意味では小さいお子さんを育てているご両親にとっては追い風と言いますか、ゼロスタートで皆さんと同じスタートになったという事かもしれないですね。
A:
その通りだと思います。イクメン休業を取った男性達の言葉に、育児をしている女性の気持ちが深く理解できた、1ヶ月の為にこれだけ準備する女性は1年も休んでもまたすぐ元に戻ってきて、そして今までと同じ仕事をするという事で、その事への理解も深まりました。またサポートというか、共に働くという助け合いというところがワンプッシュスイッチが入ったという事例が多く見られました。
羽生氏:
大企業ならではの従業員も多いので、温度差もあるかと思うのですけれど本当のところはどうなんでしょうか?また今後企業組織のマネジメントとしては、社員一人一人は安全の為に自宅に居て在宅ワークするのが一番安全なのですが、企業全体を見るとマネジメントというところに関しては難しい局面に入ってきているのでしょうか?
A:
「僕は子どもをちゃんと預けてるし親も側に居るしちゃんと回ってます。だから本当は取らなくても実はいいんだけどな」という様な人も確かにいます。ですがそうじゃなくて1回やってみて下さいと、そこから感じるもの、見えるものが多くあるはずだということ、それから本当に極僅かですが「パートナーの方からもっとこうして欲しかった。」という声など、アンケートのフリー記述のところに細かい心の機微が綴られているので、今後はそれが課題だという風に感じています。
やはり目の前で繰り広げられているものを評価するというのは非常に、それが当たり前という中から見えないところという事になりますので難しいと思います。また弊社の場合は、対面営業お客様と直接打合わせしなければいけない事もあり、全てWEBとはいかず、見本の感覚も見てもらわないといけない、現場でも打合わせしないといけないという事もあるので、全てテレワークにはならないのですが、でもテレワークの割合と見ると今まで以上に多くなっている。やはりプロセスであるとか、コミュニケーションをどうとるかとか、人間関係を日頃からどう作っていくのかという事は、一人一人の社員をちゃんと見ている本当にしっかりと見てフィードバックと出来る様な意識が今まで以上に求められるんだろうという風に感じています。
羽生氏:
今後の抱負を教えていただけますか?
A:
大きくはスマートワークの推進で、業務の特性上 web と face to face の絶妙な融合というものを追求していきたいですし、フリーアドレスやボーダーレス・ペーパーレスなどの取組が本当に加速すると思います。
イクメン休業につきましては、質の向上という事でもっともっと事前準備や協力体制などから、イノベーションが出るところまでしっかりと進めていきたいなという風に考えております。
【その他受賞企業の評価ポイント】
高村氏:
イクメン企業アワードのグランプリ2社の背景や方針の中に“社員の満足や幸せ”という言葉が出ており、コロナ禍で不安な中に、この様な価値ということを示してくださったところにも非常にまず感慨深い。

理解促進賞を受賞した江崎グリコは、夫婦が一緒に子育てしていくという上で日常の細々したいろいろなコミュニケーションが難しかったり、行き違いがあったり、上手くマネジメント出来なかったりとか、そういう様な事をカバー出来るアプリを開発されて、それを広く世の中に公開をされて夫婦で子育てするっていう事を非常に推進されたという事が、この賞に対してぴったりだったんじゃないかと受賞へ繋がられたのではないかという風に思います。
コロナ渦の中、リモートワークされている父が子とどの様にコミュニケーションを取っているのかとyoutube で動画を作成し流すという支援も非常に目をひいたので、評価のポイントである。
国保氏:
株式会社プロトソリューションは、沖縄県の企業という事で地域特別賞を受賞という事になりました。
取組の評価で最も多くの声が上がったところが、多くの企業でも個人情報を扱ったりという様な部署で二の足を踏んだり、実現不可能でどうしても難しいと言われていたコールセンターでのテレワーク導入というところが軽やかに実現され非常に高く評価をされました。
技術的な課題と同じくらいかそれ以上にやっぱり大きなハードルとなるのが、意識の問題で前例がないから出来ない・やり方がわからないから出来ないという様なこの出来る出来ないで考えて、出来ないって言ってしまう事がテレワークをはじめとした働き方改革の大きなハードルになってると思います。
出来る方法を考える、どうしたら出来るかを考えるという事によって、恐らくこのコールセンターのテレワーク化という事が実現している。
この軽やかさ・柔軟性が組織には非常に大きな力となると思います。

この柔軟性は働く人にとってはとても快適な環境で、実際に地方企業で若い人が就職の応募しに来ない、あるいは働いても直ぐ辞めてしまうみたいな事を伺う事がありますが、そういったケースの場合はそこの経営がどうかというよりは、そこの人の意識や頭が固すぎることが嫌になるという声もよく耳にすることが多いです。ですがこの取組を通して、柔軟性と社員の為に何か対策をきちんと考えるという社風と風土が見え、その辺りが離職率の大きな改善に繋がっているのではないかという風に捉えております。
羽生氏:
理解促進賞を受賞した江崎グリコは、社会にどうやって力になろうか、還元しようかっていうところを持ち前の子育てに近い分野でノウハウお持ちでしたので、そこをスピーディーに上げられたというところを非常に評価したいと思いました。

奨励賞を受賞された双日は、育休取得率が50%を取り、商社という業界で女性活躍やウーマンアパーセントが難しい分野と言われている中で、非常に率先して改革されている企業です。
2018年度から2019年度に20%も男性育休が増加した事や、ファミリーサポート休暇・フレックスシッターなど色々な角度から力強く推進しされている。
どういうところが特徴かと一つ思うのは、単なる子育て支援じゃなく、キーワードはキャリアを止めないという事を結構明確に掲げられ、どうやって両立していくかという事を具体的に取組んでいる。
コロナ渦下では、救援急遽休まざるおえない社員に対しては、有給を補填する特別措置を素早く作ったり、時短勤務よりも更に時短、短い勤務での段階的措置の特別という制度もこういう緊急事態で直ぐに発令させたというところも高い評価になりました。
今後は単なるテレワーク推進だけではなく、敢えて在宅と出社の組合わせでキーワードとして生産性を追求するというふうに掲げていくと思う。

総評

高村 静 氏(中央大学大学院戦略経営研究科 准教授)
高村 静 氏
羽生氏:
男性育休取得率を今後上げる為に、次の推進や策など掛ける思いをお伺いできますか?
高村氏:
男性育休の認知も進み、今は上昇基調にあるとみております。
コロナ渦下もあり働き方を見直す機会になり、一人一人のキャリアというところ見ながら、変動もあり会社の出社や在宅が混在し読めなく不安である状況の中、会社や上司が『応援している』、『信頼しているよ、あなたのキャリアを尊重しているよ』といったマネージメントのところが進むのであれば、キャリアの中の一つに育休っていうものもあるんだっていう風に理解が広がっていくと思う。
育休中は家族を作っていく、育児の為に長く働く為にこの時間については育児ということについて関わりを持ちたいという事を尊重していくことが全体的に広がるといいと感じています。

またコミュニケーションをすごく蜜にとり理解しあうことも非常に大事で、皆それぞれ違うので仕事のことも一人一人の家族の事も、生活も含めた相互の理解が進んでいくという事が凄く大切だと思います。
国保 祥子 氏(静岡県立大学経営情報学部 准教授、株式会社ワークシフト研究所 所長、育休プチMBA代表)
国保 祥子 氏
羽生氏:
ワーク・ライフ・バランス、ダイバーシティについて研究されている中で、こういった動きというのはいかがでしょうか?
国保氏:
ダイバーシティはその組織の多様性がどうして課題になるかというと組織の中にいろんなサブグループができてしまって、一体感が損なわれていくというところです。それがそれぞれバラバラになっていって、纏め難くなるという課題がダイバーシティの大きな問題として指摘されています。
ただそれに対しての解決策の一つとして情緒的コミットメントという、気持ちや感情的な繋がり情緒的な繋がりを強化することによって、バラバラになりかけるものを繋ぎ止める機能があるということが研究の中で言われています。

社員の学びや成長をケアし強化してくれる企業は、テレワークなどでバラバラになった社員を、情緒的なコミットメントで繋ぎ止める機能があったかと思います。
そういう意味では皆で会社に同じ場所にいて、長い時間を過ごす 様な同質性をベースにしたマネジメントの限界点がそろそろきているのではないかと感じます。
コロナ渦下では、今回社員は皆企業がどれだけ自分たちのことを考えてくれてるかっていうところを結構見て重視したと思う。そういう意味では、学びや成長にケアをしてくれる企業というのは社員から見たら再びこの情緒的なコミットメントを持つに相応しい会社だと思ったと思います。
羽生 祥子 氏(日経xwoman(クロスウーマン)総編集長、日経ARIA編集長、日経DUAL創刊編集長)
羽生 祥子 氏
羽生氏:
現在男性育休の課題の中に、旦那が「育休を取りたい。」と言っても、妻ブロックといって、妻が「お給料が減る、収入が無くなるから育休は取らないでくれ。」という風に折角の旦那の育組を阻止する様な動きがあるということなんですが、それは全くの誤解でちゃんと給付金は出ます。会社の制度などで、給付金シミレーションがなくわからないという方はイクメンプロジェクトのサイトをご覧なって下さい。
育休について詳しく説明があり、給付金についても効果的な取り方や会社の給料が出ない場合、保険から3分の2 67%でるとか非常に詳しく話が掲載されています。

私もコロナ渦下の中で、いろいろな企業の対応をWEB取材などをしてきて、上手く子育て中の社員を含めた全従業員をグリップしているなって企業は幾つか共通項目があり、そのキーワードの1つが「社員の学び、成長」そういったキーワードを意識的に掲げて、例えばe ラーニングでダウンロードしながら何かを学べるとか、デジタルスキルをお家に居る間に全社員が学べる様な制度を作るとか、そういったところの単なる今季の売上目標達成やミッションを達成など数字のもの以外のところで、個人の成長や学びっていうところをグリップにしている企業が目立つなと思いました。

今日は男性の育休取得促進についてから始まって、このコロナ禍下において企業はどういった形で組織運営をしていくのか、新しい力を生み出していくのかというところまで踏み込んでお話を聞いていきました。
私が一番感じたのは、男性の育児休業取得者・子育て中のご家族の為だけではなく、全ての社員に対して細やかな配慮やコミュニケーションを取ることが、企業の多面的な取組の推進力になるということを実感しました。
「イクメン推進シンポジウム」前半のプログラム(表彰式・総評)の概要はこちら

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「イクメンスピーチ甲子園2020」決勝大会を開催しました!

今年のイクメンスピーチ甲子園の決勝大会を、THE BBQ BEACH in TOYOSU(東京都江東区)にて開催いたしました。昨年に引き続き「イクメンオブザイヤー2020」と同時開催しております。

「育児と仕事の両立」など、育児に関するご自身のエピソードを募集し、書類審査を経て決勝進出した3名がステージ上でスピーチ。伊藤翼さんが優勝し、新たな「イクメンの星」が生まれました。
決勝進出者の熱のこもったスピーチを審査員をはじめ会場の皆様が聞きいっていました。

当日の模様はイクメンプロジェクト公式チャンネルで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=_t17vdOZdhE&t=1320s

開催概要

■日時 2020年10月18日(日)
 13:00 〜 13:30 イクメンスピーチ甲子園2020 決勝大会
 (14:00~15:00 イクメンオブザイヤー2020)
■場所 THE BBQ BEACH in TOYOSU(東京都江東区豊洲6丁目9番3の一部)
■プレゼンター・審査員
 おち まさと 氏(イクメンプロジェクト推進委員)
 福井 聡さん(第9回イクメンの星)
 橘 信吾さん(第13回イクメンの星)
 上笹 遼さん(第21回イクメンの星)

表彰写真
プレゼンター・審査員と決勝進出者3名による記念撮影

イクメンスピーチ甲子園2020 決勝スピーチ

【優勝者】 
伊藤 翼氏
出場者
押川 剛⼀郎氏
出場者
河野 義広氏

【優勝者】 伊藤 翼氏

【エピソードタイトル】

きっかけは寝かしつけ

【エピソード概要】
第二子出産後に6ヶ月間の育休をとりました。少しでも暮らしに馴染むようにエプロンをつけて取組み、育休で少しでも成長した姿を見せようと勉強もしました。

大変だったのは長時間かかる娘の寝かしつけでした。 乳幼児の睡眠について学び、それまでは1〜2時間かかっていたものが10分でできるようになり、自分の睡眠不足や妻も自分の時間も確保でき、家族全体が幸せになりました。

コロナで長男の幼稚園が自粛の中、ワンオペ育児に困って誰かに助けて欲しいと本気で思ったりもしました。その中で、娘が自分で寝られるようになり上の子と遊ぶ時間を確保できたことが嬉しかったです。

復職後も18時頃までに帰宅するようにしました。妻と夕飯・お風呂・寝かしつけを分担し、長男にも役割を与え、文字にして張り出し、見える化することで自主性を育み、楽しみながら取り組めました。

また、在宅勤務も活用し、生産性を向上させる働き方を実践することで仕事と家庭のワーク・ライフ・バランスを現在も継続しています。

周囲育児に関する相談を受けるようになり、自分だけで終わるのではなく次に繋げていく意識も持つことができました。

職場に戻ってからは「製造業界からイクメン文化を牽引するんだ!」をキーワードに社員向けのレポートを公開したり、講座を開いたりして、育児の楽しさを伝える活動をしています。

毎日が楽しくなり家族の笑顔も、人との繋がりも増え、イクメンの風土を作っていこうと決意でき、育児休業の間、素晴らしい時間を過ごすことができました。

伊藤 翼氏

【決勝進出者1】 押川 剛⼀郎氏

【エピソードタイトル】

育休での学びを社会に還元

【エピソード概要】
私は第3子が生まれた時、子どもが全員未就学児だったこともあり、産後の妻の負担や家族としっかりと向き合う時間が欲しく、半年間の育児休業を取得しました。
長期間の育休を取得することは社内では珍しかったので多少の迷いはありましたが、職場の理解もあり決断することができました。

育休中、子どもの日々の成長を間近で見て関われたことはかけがえのない貴重な経験でした。同時に育児の大変さを実感し妻へ感謝の気持ちが芽生えました。

子どもたち全員が号泣してしまい埒が明かなくなったこと、1人が体調を崩すと皆体調を崩してしまったことなど、私も初めてのことが多く泣きたくなることもありました。

この経験を経て、育児はすべてをコントロールしようとするのではなく、子どもの気持ちに寄り添い、自分自身の心に余裕を持つことが必要だということを学びました。それは復職したあと職場でマネジメントをする上でも役立っています。

育休を経て育児・家事に積極的に取り組み、妻と話し合う機会も増えたことで、以前よりも育児と仕事のバランスが取れてきていると感じています。子どもの行事に参加するため、計画的に仕事に取り組むようにもなりました。

また、子どもの「初めての経験」を間近でみてチャレンジ精神が湧いてきて、会社のプロジェクトへの参加、資格の取得など新たなことに取り組む毎日を過ごしています。

男性の育児が当たり前になり、「イクメン」という言葉がなくなることをめざし、今後は男性の育児への積極的参加を後押ししていきたいと考えています。

押川  剛⼀郎氏

【決勝進出者2】 河野 義広氏

【エピソードタイトル】

目にするものすべてが研究対象

【エピソード概要】
仕事のスケジュール上、長期の休暇を取得することは出来ませんでしたが、育児に専念する期間として2週間の育児目的休暇を取得しました。

子育ては発見の連続でした。わたしは育児を通じて子どもや親の2つの側面があると感じました。
「赤ちゃんは生まれながら科学者」だと言う言葉があり、育児を通じて3つの発見がありました。
①育児休業期間、育児を覚えながら子どもに愛着をもって接することができました。
②子どもの近くで言葉で話しかけることで、反応を見ることができました。
③仕事との相乗効果が生まれ、以前より考える時間が増え、効率の良い仕事ができるようになりました。
身近な若者に育児の様子を見せる機会があったときには、積極的に経験を伝えています。近い将来育児を経験する彼らの参考になればと思っています。

育児休業期間から今に至るまで、私は「見たものや感じたことを言葉にして語り掛けること」を心がけています。息子の誕生を機にベビーサイン講師の資格を取得した妻に教えてもらいながら、息子と一緒に勉強しています。新しい言葉やサインをどんどん覚え、成長する息子に追いつくのは大変ですが、成長を見守りながら育児を楽しみたいと思います。

河野 義広氏

表彰式

プレゼンター・審査員と決勝進出者3名による記念撮影

見事優勝に輝いた伊藤さんにはトロフィーを贈呈。また、決勝進出者3名全員にも会場からプレゼントがありました。
さらに、優勝した伊藤さんにはイクメンプロジェクトが行う様々な活動に「イクメンの星」として活動していただいております。今後当ホームページ内でご報告してまいります。
引き続きご期待ください。

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